自然は一流、サービス三流
知床回想記
北海道在住なので、知床が世界遺産に認定されたというニュースは喜ばしいのですが、知床には未だに思い出す苦い思い出があります。
20年も前、学生時代は毎年夏休みになるとバイクで知床をツーリングしていました。
ある年のツーリングで最初に泊まった宿のことです。
夜の10時くらいに私と友人が外で涼みながら立ち話をしていると、宿の主人に「いつまでしゃべってるんだ!早く中に入りなさい」
と言われました。
驚きながらも宿に入り、アイスクリームを買おうとケースの扉を開くと、今度は「溶けるから早く閉めて!」と言います。 かなりムッとしつつお金を払いながら、「このホテルは門限があるんですか?」と訊くと、宿の主人は「あっ、ホテルのお客さんですか?」 と言いました。
このホテルは、一部がユースホステルになっていたことを思い出しました。部屋に戻る私たちの背後に「失敗した」という主人の声が。
ユースホステルには消灯時間もあるでしょうが、確認もせずにバイクの客=ユースの客と決め付け、 横柄な態度を取られたことに腹立たしい思いをしました。この主人、ユースホステルの客には、いつもあんな態度なのでしょう。
翌日、私たちは知床横断道路を走りに出かけました。帰る途中バイクのガソリンを入れるためにスタンドに寄ったのですが、 そのときに私は2千円出したつもりで、1万円札と千円札を出したのです。そのことに気がついたのは、その夜に泊まった宿に戻った後でした。
暗くなってきてからヘルメットの薄暗いシールド越しに間違えてお金を出したのは私のミスでしたが、 店員はあきらかに間違いとわかっていて、2千円を出した分のおつりを持ってきました。
このとき、私は他に客もいないのにつり銭を持ってくるのがやけに遅いなと思っていたのですが、 どうやらもう1人の店員とネコババする相談でもしていたようです。貧乏旅行の途中に失った1万円札のために、 そのあとは食べたいものも食べられずに、やっと地元まで辿りついた有様でした。
北海道は昔から「自然は一流、サービス三流」と言われます。もし知床で商売をしている人たちに、こういう人がもっと多ければ、 世界遺産に認定されたおかげで、北海道の恥をさらすことになるような気がします。
あれから知床には行く機会がないままですが、いつかまたバイクに乗って、あの素晴らしい景色の中を走ってみたいと思います。
そのときは自然の素晴らしさを汚さないようなサービスが受けられるように願うばかりです。
