ICTという言葉が普及しない、たった1つの理由

「ICT」という言葉、大まかな意味は「IT」と同じですが、まだ十分に普及している言葉とは言えません。また「IT」とはどう違うの?と思う方も多いでしょう。

そこで「IT」と「ICT」の意味や違いはなにか?
どうして「ICT」という言葉はいまいち普及しないのか?

について考えてみました。
まず「IT」と「ICT」2つの単語を略さずに書いてみると、

  • Information Technology
  • Information Communication Technology

「Communication」が入るかどうかの違い。意味の違いはここがポイントになりそう。さらにそれぞれの言葉の意味をe-Wordsで調べてみると、

ITとは、コンピュータやデータ通信に関する技術を総称的に表す語。

ICTとは、情報(information)や通信(communication)に関する技術の総称。

結局どっちも同じってことですが、「ICT」の説明には補足として続きがあります。

日本では同様の言葉としてIT(Information Technology:情報技術)の方が普及しているが、国際的にはICTの方が通りがよい。総務省の「IT政策大綱」が2004年から「ICT政策大綱」に名称を変更するなど、日本でも定着しつつある

海外じゃもう「ICT」なのに、日本じゃ「定着しつつある」? しつつあるって言っても、普段の会話で「ICT」って言わないですよね?「いや、ウチの業界じゃ、とっくにICTだよ」って言う人もいるでしょうが、業界の話じゃなく世間一般の話です。

「IT」なら小学生やお年寄りにだって、意味はともかく単語としては通じる。でも「ICT」って言ったら「高速道路が安くなるって~、アレかい?」なんて返ってきそう(それはETCだろ! と、一人突っ込み)。

海外で「IT」が「ICT」に変わったのは、インターネットと、それを利用したサービスの発展で、「情報技術」という単語ではカバーしきれなくなったからか? 英語は日本語よりも簡潔で明快な言語だから、「そろそろ Communication って入れなきゃね」という感じかもしれない。

「IT」という言葉が使われ始めたころは、仕事のやり方をアナログからデジタルへ移行して効率化するという意味が大きかったように思います。

同じ頃には「OA」(Office Automation)という言葉もありましたね。「コンピューターやワープロ、ファクシミリなどを利用して事務の省力化を図り、必要情報を即時に使用できるようにすること。また、そのシステム」という意味。

とすると「OA」はそのまま「IT」に置き換えることができるので、それまで普及していた割には、すんなりと「IT」に取って代わられました。

ではどうして海外では「ICT」が普及したのに、日本じゃまだ「IT」が根強いのか?

その答えを求めてインターネットで検索してみると、NTT 365°というWebサイトに「ITとICT 日本における混用を考える」というコラムが掲載されています。この中で筆者の原 淳二朗さんは、

情報とは存在するだけでは意味がない。的確な人に正確に伝わって初めて情報が情報になる。その意味で情報とは伝えることに意味の本質があることになる。(中略)日本人の意識の中には「情報」と「伝える」両方の意味が渾然としているのではないか。だからITもICTも混用して平気でいられるのではないだろうか。

と語っています。でも日本人全員がそこまで考えて使い分けているとは思えません。もっと何か、もっと根本的で、もっと単純な理由があるような気がします。

ちょっとここで「ICT」という言葉を分割して、「IT」と「CT」に分けてみましょう。

「IT」は前述のとおりですから「Communication Technology」を同じように定義すると、「通信・伝達するための技術」ということになります。ということは電話や、さらに昔の飛脚や伝令、伝書鳩、さらにはノロシも「CT」ということになります。なんだか、ぜんぜん新しい感じがしないですね。

「OA」も当時は新しさを感じさせる言葉でしたが、すぐにもっと新しくて魅力的な響きを持つ「IT」に追いやられました。でも日本で「ICT」が「IT」に取って代われない理由は、日本人が Communication の意味に新しさを感じないからでしょうか?

その理由は、たぶん・・・きっと・・・おそらく・・・

ゴロが悪いから。

あると思います!

日本人って語感を重視しますよね。日常会話でも「ゴロがいい」とか。ゴロを良くするために言葉を短くすることも多いです。「パーソナル・コンピュータ」じゃ長いから「パソコン」、「地上波デジタル放送」も長いから「地デジ」。「アイティー」はゴロがいいけど、「アイシーティー」はゴロが悪い。

そう考えると「ICT」という言葉が普及しないのは、単にゴロが悪いからというだけの日本人特有の理由だと思います。

「ICT」と言っても相手から「それなに?」と訊き返されるより、誰にでも通じてゴロがいい、それが「IT」の強さです。

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