Wi-Fiが1分間くらい途切れる。そんな現象がよく起きるときの原因は、ルーターに組み込まれているDFSという機能が原因かもしれません。
ここではDFSについての説明と、Wi-Fiが途切れないようにする対処法を紹介します。
5GHz帯の電波はレーダーが優先して使用
Wi-Fiで使われている電波には、周波数の幅(帯域)によって2.4GHz(ギガヘルツ)帯と5GHz帯があります。
2.4GHz帯は周波数が低いので電波が遠くまで届きやすく、ドアや壁などの障害物にも強いのがメリットです。低い音が遠くまで響きやすいのと同じ理屈ですね。
しかしこの帯域は電子レンジやコードレス電話、IHクッキングヒーター、Bluetoothなどでも使われているためにWi-Fiの電波と干渉しやすく、通信速度が下がったり途切れやすいデメリットがあります。
5GHz帯は家電製品との干渉がなく通信速度も速いのがメリットですが、障害物に弱いので壁などに遮られて電波が届きにくいのがデメリットです。
さて、ここからが本題です。
5GHz帯の電波はレーダーと干渉することがあります。
5GHz帯の電波は航空レーダーや気象レーダーも使っているため、Wi-Fiがレーダーと同じチャンネルを使っていると、強制的に他のチャンネルに移動させられます。レーダーは公共的な用途に使われているために仕方ありません。
それだけなら問題はないのですが、他のチャンネルに移ってから1分間ほど再び電波が干渉しないか確認作業が行われます。
こうした働きは DFS (Dynamic Frequency Selection 動的周波数選択) といい、Wi-Fiルーターには装備することが義務づけられています。
Wi-Fiが途切れる理由は他にもありますが、頻繁に、しかも1分間ほど途切れる場合はルーターがレーダー波を感知してDFSが作動している可能性があります。
DFSを回避してWi-Fiを安定させるには
DFSによってWi-Fiが途切れるトラブルを避けるためには、3つの方法が考えられます。
1つめは2.4GHz帯だけを使うこと。
2.4GHz帯でも充分な通信速度が得られるなら、5GHz帯は諦めることにします。
2つめは5GHz帯をレーダー波と干渉しないチャンネルに固定すること。
5GHz帯の電波はW52、W53、W56と3つのグループに分かれていて、W53とW56のグループはレーダー波と干渉しますが、W52は干渉しません。
なのでWi-Fiルーターの設定を変更して、5GHz帯はW52グループの36 40 44 48のいずれかに固定してしまえばいいわけです。
グループ | チャンネル | レーダー波との干渉 |
W52 | 36 40 44 48 | しない |
W53 | 52 56 60 64 | する |
W56 | 100 104 108 112 116 120 124 128 132 136 140 144 | する |
しかし2.4GHz帯だけやW52のチャンネルだけを使うと、せっかくのWi-Fiがフルに活用できません。一人暮らしならそれほど問題ないでしょうが、家族で同時にWi-Fiを使うような場面では通信速度に不満が出てきます。その場合は「DFS障害回避機能」を備えたWi-Fiルーターを使用すると、高速なWi-Fiをフルに活用できます。
以前はDFS障害回避機能をもつWi-Fiルーターは高価で手を出しにくかったのですが、最近は実売価格2万円台の製品も増えてきました。5GHzの高速な通信速度をフルに利用したいのであれば、こうしたルーターへの買い替えをお勧めします。