中古パソコンというと、ある程度パソコンに詳しい人なら、まず「やめとけ!」と言います。私も人から聞かれたら、そう言ってきました。このサイトでは2009年から中古パソコンを買うときの注意点などについて説明してきましたが、基本的には新品のパソコンをお勧めするスタンスでした。
しかし、それから10年経ってあらためて中古パソコン市場を調べてみると、当時とはかなり状況が違っていました。その結果、当サイトは中古パソコンを頭から否定するより、上手に選んで購入するのもあり! というスタンスに変わっています。
ここでは、どうして当サイトが方針転換したのか、その理由をお話しします。中古パソコンを買おうか、どうしようかと迷っている方にとってもお役に立つと思うので、ぜひ一読してみてください。
「中古パソコンはおすすめしない」と言っていた当サイトが方針転換したわけ
高かろう悪かろうだった、かつての中古パソコン
以前の当サイトが中古パソコンを積極的に勧めなかったのは、処理性能が低い割に価格が高かったことが一つめの理由です。
当時は処理性能がどんどん良くなっていた頃で、マニアックなユーザーの中には毎年のようにパソコンを買い替える人もいた時代です。それは逆に言うと、ほんの数年で性能が見劣り商品だったにも関わらず、初心者をカモにするような高い価格設定をしていた中古パソコン業者が珍しくありませんでした。
私の周囲にも中古パソコンを使っている人がけっこういましたが、正直言って、「こんなゴミみたいなパソコンを、よく平気で売りつけるもんだ」と思っていたものでした。
そんな、たった数年でパソコンがゴミ扱いされていた時代から、現在はかなり状況が異なっています。
Windowsに必要な性能は10年間で変わっていない!
このページの執筆時点からちょうど10年前の2009年と言えば、Windows 7が発売された年です。Windows 7は不評だったWindows Vistaの改良版としてリリースされましたが、かつてのWindows XPを思わせる使い勝手の良さで人気を得て、今でも企業を中心に多く利用されています。
Windowsにはバージョンごとに必要なシステム要件がマイクロソフトから公表されていますが、現在のWindows 10のシステム要件はWindows 7と同じで変わっていません。
マイクロソフトが示すシステム要件は、あくまで最低限のものですが、実際に10年前のパソコンでもWindows 10を動かすのに必要なスペック(性能)は備えています。
つまり、この10年間のあいだに販売されたパソコン(Windows 7搭載以降のもの)であれば、Windows 10でも問題なく使えます。実際にはマイクロソフトのシステム要件を大幅に上回っているものがほとんどなので、昔のように、中古パソコンでも処理性能が足りないということはありません。
もうパソコンは数年でゴミになるものではなくなり、中古車のようにちゃんと整備されたものなら、必ずしも新品のパソコンを買う必要はありません。
新品のパソコン価格は↑↑↑上昇傾向↑↑↑に
中古パソコンを勧めるもう一つの理由は、新品パソコンの価格です。
正確な年月は覚えていないのですが、だいたい2013年前後がパソコン価格の底値だったように思います。その頃は毎週のようい新品パソコンの価格をチェックしていましたが、インテルのCore i3プロセッサーを搭載した17インチ画面のノートパソコンが5万円台半ばで販売されていたことがあり、自分でも一台買っておこうかと思ったほど激安でした。
しかし底値を脱してから数年たった今は、ある程度の実用的なスペックをもつノートパソコンは10万円に届く価格帯になってきています。
また、5~6万円くらいのパソコンには処理性能がスマートフォン並みのものも多いので、そんな新品パソコンを買うくらいなら、ある程度のスペックを持つ中古パソコンを買うほうが実用的です。
そうは言っても、やっぱり中古パソコンを買うのが心配なのはムリもありません。確かに昔は程度の悪いパソコンを売っている業者も多かったのですが、その後の競争激化で悪質業者のほとんどは消え去っています。雨後の筍のような状態だった中古パソコン市場は、この10年間で自然淘汰が進み、そのおかげで優良な販売業者が多く生き残っています。
中古パソコンを買うのは初めてであれば、ないより保証がしっかりした販売店を選ぶことがリスクの少ない買い方になります。