動画(ビデオ)編集に適したノートパソコンのスペックとおすすめモデル

ビデオ(動画)編集はパソコンに高いスペックが必要な作業。ふだんは不満のないノートパソコンでもビデオ編集には厳しいかもしれません。ならば、もっと高性能なパソコンに買い替えようと思ってもスペックの見方がわからないという声も聞かれます。

そこで前半はビデオ編集のためのノートパソコンに必要なスペックの見方3点を説明し、後半ではスムーズな編集作業ができるノートパソコンを紹介します。

説明はいいから具体的なお勧めモデルを見たい方は、こちらからどうぞ!

快適なビデオ編集に求められるノートPCのスペックは?

パソコンのスペックを決める要因にはプロセッサー(CPU)、グラフィックス機能(GPU)、メモリ、ストレージ(記憶装置)の4つがあります。その中でメモリについては16GB以上あれば十分と覚えておけばいいので、残り3つの要素について見ていきましょう。

並列処理に強い、コアとスレッド数の多いプロセッサー

パソコンの処理性能を決めるのが、なんといってもプロセッサー(CPU)。数あるパソコンパーツの中でも常に注目を集める存在ですね。

音声や色彩など膨大な情報が含まれているビデオデータは、たくさんの細切れに分割して片っ端から並列処理を行うことが効率的です。そのため、ビデオ編集にはコアやスレッド数が多いプロセッサーが有利です。

コアというのはプロセッサーが処理を行う部分で、インテルのCore i7プロセッサーには1つのコアで2系統のデータを処理できるハイパースレッディング機能が備わっており、4コア・プロセッサーでも8系統の並列処理が可能になります。

最新のインテル第8世代Core i7プロセッサーは、コア数・スレッド数などが第7世代よりも増えたため並列処理の効率が大幅に向上。ビデオ編集にはうってつけのプロセッサーと言えます。

新旧プロセッサーの主な比較例
  第7世代 Core i7-7700HQ 第8世代 Core i7-8750H
コア・スレッド数 4コア・8スレッド 6コア・12スレッド
動作周波数 2.80 – 3.80GHz 2.20 – 4.10GHz
キャッシュ容量 6MB 9MB

この記事を書いている2018年7月上旬時点では、まだ4コア・8スレッドの第7世代Core i7を搭載するパソコンも併売されています。1つ型が古くなったとはいえ処理性能は十分高く、しかも価格的にこなれているので、あえて第7世代プロセッサーのノートパソコンを狙うのも良い選択です。

グラフィックス機能はNVIDIA製品が無難

グラフィックス機能にはプロセッサー内蔵型と独立型とがあります。動画の視聴など日常的な使い方には内蔵型で十分ですが、ビデオ編集にはより高い描画性能をもつ独立型のグラフィックス機能が必要となります。

独立型のグラフィックス機能はNVIDIA(エヌビディア)社とAMD(エーエムディー)社でほとんどのシェアを占めていますが、どちらかというとビデオ編集にはNVIDIA社の製品を選ぶほうが無難です。

なぜかというと、ビデオ編集ソフトが動作確認をNVIDIA製品でしか行っていなかったり、NVIDIA製品に最適化されていることが多いからです。そのためNVIDIA製品を使うほうが安定した動作が得られますし、同じ処理を行ってもNVIDIA製品のほうが処理が速いということもあります。

NVIDIA製品も大別するとGeForce(ジーフォース)シリーズとQuadro(クアドロ)シリーズがあります。

GeForceシリーズはゲーム用途など個人向けパソコン用のグラフィックス機能、Quadroシリーズは画像や映像の編集・制作に特化した業務用のグラフィックス機能です。

ではGeForceとQuadro、どちらがいいかというと、使用する編集ソフトが推奨しているものという答えになります。

「Adobe Premiere Pro」のようにQuadroとGeForceの両方が推奨されているならQuadroのほうがベターですが、上級グレードになるとそれだけでビックリする価格になるので、コストパフォーマンスを考えるとGeForceシリーズでも十分です。

意外と盲点! 動画編集ソフトの「GPU支援」対応

QuadroやGeForceのような独立型グラフィックス機能を活かすには、動画編集ソフトがGPU支援に対応している必要があります。

GPU支援とはグラフィックス機能(GPU)も利用してスピーディーに処理することで、CPUパワーだけに頼るよりも高速な処理が行えるようになります。

ただし、すべての動画編集ソフトがGPU支援に対応しているわけではありません。

例えば「Adobe Premiere Pro」はGeForceやQuadroのGPU支援に対応していますが、廉価版というか個人向けの「Adobe Premiere Elements」はインテル・プロセッサー内蔵型のグラフィックス機能にしか対応していないので、それほど処理の高速化は期待できません。

動画編集ソフトを購入するときはGeForceやQuadroなど独立型のGPU支援に対応しているかどうか、メーカーのWebサイトなどで確認してから購入するようにしてください。

ストレージはPCIe接続のM.2 SSDがベストだけれど

OSやアプリケーション、データを保存する記憶装置には長いあいだHDD(ハードディスクドライブ)が使われてきました。しかしHDDは読み書きスピードがプロセッサーやメモリよりも遅いために、パソコンのトータル性能が上がらない原因となっていました。

近年ではHDDの代わりにメモリを用いたSSD(ソリッドステートドライブ)が普及して、かなり読み書きスピードが改善されましたが、最近ではSSDよりもさらに速いM.2 SSDを内蔵するノートパソコンが増えています。

M.2 SSDは基盤との接続にHDDやSSDと同じSATA3方式を使うものと、より高速なPCI Expressに接続するNVMe方式を使うものがあります。

SATA3方式だと読み書きスピードはふつうのSSDと同じになるので、M.2 SSDの性能をフルに活かすことはできません。

できればNVMe方式のM.2 SSDがお勧めですが、そこまでハイスペックを追求しないのであれば、ふつうのSSDでも十分に速いので予算に応じて選択してください。

ビデオ編集におすすめのノートパソコン(2018年夏)

STYLE-15FX095-i7-RNRVI

STYLE-15FX095-i7-RNRVI

パソコン工房が販売するiiyamaブランドのノートパソコンですが、「iiyamaってディスプレイのメーカーじゃないの?」と思われた方も多いと思います。実はiiyamaとパソコン工房はマウスコンピューターと同じグループ会社で、とてもコストパフォーマンスの高いパソコンをリリースしています。

「STYLE-15FX095-i7-RNRVI」はGeForce GTX 1060グラフィックスを搭載する描画性能に優れたモデル。

ストレージはOSやアプリケーションの動作が高速なNVMe対応のM.2 SSDに加えて、データ保存用に1TBのHDDも搭載するデュアルストレージ構成

価格も手ごろなので、これからビデオ編集を始めてみたいというビギナーにもお勧めできる機種です。

「STYLE-15FX095-i7-RNRVI」の主な仕様
ディスプレイ 15.6型 フルHD非光沢カラー液晶 (1920×1080)
OS Windows 10 Home 64ビット
プロセッサー インテル® Core™ i7-8750H プロセッサー
(6コア・12スレッド、2.20GHz~4.10GHz、9MBキャッシュ)
グラフィックス GeForce GTX 1060 6GB GDDR5
メモリ 16GB(8GB×2) ※32GBも可能
ストレージ 250GB NVMe対応 M.2 SSD + 1TB Serial-ATA HDD
価格 146,980円(税別)

HP ZBook 15v G5 (パフォーマンスモデル)

「HP ZBook 15v G5」はコストパフォーマンスの高いワークステーション。

ワークステーションとパソコンの違いというか定義は曖昧ですが、パソコンより高性能で業務用途を想定して作られているコンピューターです。

「HP ZBook 15v G5」は4K対応ディスプレイをはじめ、第8世代Core™ i7-8750H プロセッサー、32GBメモリなど、とてもトータル性能が高い構成になっています。とくにグラフィックス機能には業務用のNVIDIA Quadro P600を搭載しているところが注目ポイントですね。

これだけのハイスペックな構成で税抜きとはいえ20万円ほどの価格に収まっているコストパフォーマンスの良さも大きなセールスポイントだと思います。

HP ZBook 15v G5 (パフォーマンスモデル)の主な仕様
ディスプレイ 15.6インチワイド 4K UHD 液晶ディスプレイ
(非光沢、最大解像度3840×2160)
OS Windows 10 Pro (64bit)
プロセッサー インテル® Core™ i7-8750H プロセッサー
(6コア・12スレッド、2.20GHz~4.10GHz、9MBキャッシュ)
グラフィックス NVIDIA® Quadro® P600 (4GB GDDR5)
メモリ 32GB 2666MHz DDR4 (16GBx2)
ストレージ 256GB M.2 SSD (PCIe, NVMe, TLC) + 1TB HDD (7200rpm)
価格 198,000円 (税抜き)
 

安心できる国内大手メーカーの富士通 LIFEBOOK AH77/C2。 ディスプレイはどの角度から見ても色彩が変わらず、色の再現性も高いスーパーファイン液晶を搭載。ONKYOと共同開発のスピーカーを内蔵しているのでサウンドもしっかり確認しながら編集できます。

単純なスペック上の比較だけでは他の製品よりも不利なところもありますが、打ちやすさにこだわったキーボードやストレスのない日本語入力が可能なATOKを採用するなど、ここでは紹介しきれない各種の機能や数値にできない質感の高さなど「富士通」ならではのクオリティーがあります。

LIFEBOOK AH77/C2は動画編集だけでなく、ふだんの使い勝手にもこだわりたいユーザーには要チェックなモデルです。

富士通 LIFEBOOK AH77/C2の主な仕様
ディスプレイ 15.6型フルHD 広視野角 スーパーファイン液晶[1920×1080]
OS Windows 10 Home 64ビット
プロセッサー インテル® Core™ i7-8550U
(4コア・8スレッド、1.8 – 4.0GHz、8MBキャッシュ)
グラフィックス インテル® UHD グラフィックス 620 (300 – 1150MHz、)
メモリ 8GB(4GB×2) DDR4 PC4-19200
ストレージ SSD 約128GB + 約1TB HDD
価格 216,077円~ ※クーポン適用価格

マウスコンピューター DAIV-NG7510S1-M2SH2

マウスコンピューターの「DAIV」シリーズは画像や映像の制作・編集作業に特化したブランドとして誕生。ノートパソコンでもスペックに妥協のない高いポテンシャルとコストパフォーマンスの良さで、クリエイターたちに安定した人気を保っています。

「DAIV-NG7510S1-M2SH2」はプロセッサー、メモリ、グラフィックス機能など主要な各部のスペックも高く、とくにAdobeRGB比100%の4K対応ディスプレイはビデオ編集だけでなく、デジカメの画像処理でも正確な色合いを確認することができます。

DAIV-NG7510S1-M2SH2の主な仕様
ディスプレイ 17.3型 4K-UHDノングレア(AdobeRGB比100%、3,840×2,160)
OS Windows 10 Home 64ビット
プロセッサー インテル® Core™ i7-8750H プロセッサー
(6コア・12スレッド、2.20GHz~4.10GHz、9MBキャッシュ)
グラフィックス GeForce® GTX 1070 (8GB)
メモリ 32GB (16GB×2 PC4-19200 / DDR4-2400 )
ストレージ 256GB M.2 SSD (NVM PCIe接続 ) + 1TB HDD (5400rpm)
価格 269,800円 (税別)