ビデオ(動画)編集に適したノートパソコンの選び方とおすすめモデル

かつて、パソコンでビデオ編集をするのはプロフェッショナルか一部のユーザーたちでしたが、YouTubeやニコ動への投稿が盛んになるなど、ビデオクリエイターの数は飛躍的に増えています。

ところがビデオ編集はパソコンに高いスペックが要求される作業。ふだん使うには不満のないパソコンでも、ビデオ編集となるとストレスが溜まることになります。ならば、もっと高性能なパソコンに買い替えようと思っても、どれだけのスペックがあればいいのかわからないという声も聞かれます。

そこで前半はビデオ編集に適したパソコン選びに必要なスペックの見方3点を具体的に説明し、後半ではお勧めのノートパソコンをいくつか取り上げて、その特徴を紹介します。

説明はいいから具体的なお勧めモデルを見たい方は、こちらからどうぞ!

快適なビデオ編集に求められるノートPCのスペックは?

パソコンのスペックを決める要因にはプロセッサー(CPU)、グラフィックス機能(GPU)、メモリ、ストレージ(記憶装置)の4つがあります。その中でメモリについては16GB以上あれば十分と覚えておけばいいので、残り3つの要素について見ていきましょう。

並列処理に強い、コアとスレッド数の多いプロセッサー

パソコンの処理性能を決めるのが、なんといってもプロセッサー(CPU)。数あるパソコンパーツの中でも常に注目を集める存在ですね。

音声や色彩など膨大な情報が含まれているビデオデータは、たくさんの細切れに分割して片っ端から並列処理を行うことが効率的です。そのため、ビデオ編集にはコアやスレッド数が多いプロセッサーが有利です。

コアというのはプロセッサーが処理を行う部分で、インテルのCore i7プロセッサーには1つのコアで2系統のデータを処理できるハイパースレッディング機能が備わっており、4コア・プロセッサーでも8系統の並列処理が可能になります。

最新のインテル第8世代Core i7プロセッサーは、コア数・スレッド数などが第7世代よりも増えたため並列処理の効率が大幅に向上。ビデオ編集にはうってつけのプロセッサーと言えます。

新旧プロセッサーの主な比較例
  第7世代 Core i7-7700HQ 第8世代 Core i7-8750H
コア・スレッド数 4コア・8スレッド 6コア・12スレッド
動作周波数 2.80 – 3.80GHz 2.20 – 4.10GHz
キャッシュ容量 6MB 9MB

この記事を書いている2018年7月上旬時点では、まだ4コア・8スレッドの第7世代Core i7を搭載するパソコンも併売されています。1つ型が古くなったとはいえ処理性能は十分高く、しかも価格的にこなれているので、あえて第7世代プロセッサーのノートパソコンを狙うのも良い選択です。

グラフィックス機能はNVIDIA製品が無難

グラフィックス機能にはプロセッサー内蔵型と独立型とがあります。動画の視聴など日常的な使い方には内蔵型で十分ですが、ビデオ編集にはより高い描画性能をもつ独立型のグラフィックス機能が必要となります。

独立型のグラフィックス機能はNVIDIA(エヌビディア)社とAMD(エーエムディー)社でほとんどのシェアを占めていますが、どちらかというとビデオ編集にはNVIDIA社の製品を選ぶほうが無難です。

なぜかというと、ビデオ編集ソフトが動作確認をNVIDIA製品でしか行っていなかったり、NVIDIA製品に最適化されていることが多いからです。そのためNVIDIA製品を使うほうが安定した動作が得られますし、同じ処理を行ってもNVIDIA製品のほうが処理が速いということもあります。

NVIDIA製品も大別するとGeForce(ジーフォース)シリーズとQuadro(クアドロ)シリーズがあります。

GeForceシリーズはゲーム用途など個人向けパソコン用のグラフィックス機能、Quadroシリーズは画像や映像の編集・制作に適した業務用のグラフィックス機能です。

ではGeForceとQuadro、どちらがいいかというと、使用する編集ソフトが推奨しているものという答えになります。

「Adobe Premiere Pro」のようにQuadroとGeForceの両方が推奨されているならQuadroのほうがベターですが、上級グレードになるとそれだけでビックリする価格になるので、コストパフォーマンスを考えるとGeForceシリーズでも十分です。

意外と盲点! 動画編集ソフトの「GPU支援」対応

QuadroやGeForceのような独立型グラフィックス機能を活かすには、動画編集ソフトがGPU支援に対応している必要があります。

GPU支援とはグラフィックス機能(GPU)も利用してスピーディーに処理することで、CPUパワーだけに頼るよりも高速な処理が行えるようになります。

ただし、すべての動画編集ソフトがGPU支援に対応しているわけではありません。

例えば「Adobe Premiere Pro」はGeForceやQuadroのGPU支援に対応していますが、廉価版というか個人向けの「Adobe Premiere Elements」はインテル・プロセッサー内蔵型のグラフィックス機能にしか対応していないので、それほど処理の高速化は期待できません。

動画編集ソフトを購入するときはGeForceやQuadroなど独立型のGPU支援に対応しているかどうか、メーカーのWebサイトなどで確認してから購入するようにしてください。

ストレージはPCIe接続のM.2 SSDがベストだけれど

OSやアプリケーション、データを保存する記憶装置には長いあいだHDD(ハードディスクドライブ)が使われてきました。しかしHDDは読み書きスピードがプロセッサーやメモリよりも遅いために、パソコンのトータル性能が上がらない原因となっていました。

近年ではHDDの代わりにメモリを用いたSSD(ソリッドステートドライブ)が普及して、かなり読み書きスピードが改善されましたが、最近ではSSDよりもさらに速いM.2 SSDを内蔵するノートパソコンが増えています。

M.2 SSDは基盤との接続にHDDやSSDと同じSATA3方式を使うものと、より高速なPCI Expressに接続するNVMe方式を使うものがあります。

SATA3方式だと読み書きスピードはふつうのSSDと同じになるので、M.2 SSDの性能をフルに活かすことはできません。

できればNVMe方式のM.2 SSDがお勧めですが、そこまでハイスペックを追求しないのであれば、ふつうのSSDでも十分に速いので予算に応じて選択してください。

ビデオ編集におすすめのノートパソコン(2018年夏)

さて、ここからは具体的にビデオ編集に適したノートパソコンを紹介していきましょう。

以下で紹介する製品にはスタンダードクラスでもビデオ編集に向いているもの、最初からビデオ編集に特化したもの、ゲーム用パソコンとして販売されているものなどがあります。

ゲーム用パソコンが入っていることに違和感を感じるかもしれませんが、実はゲーム用パソコンはビデオ編集にも適したスペックとなっているものが多いためです。NVIDIA社もゲーム用パソコンをビデオ編集にも使うことを勧めていますので、先入観を外して検討してみるといいでしょう。

iiyama SENSE-15FX078-i7-LNFX

パソコン工房が販売するiiyamaブランドのノートパソコンということで、「iiyamaってディスプレイのメーカーじゃないの?」と思われた方も多いと思いますが、実はiiyamaとパソコン工房はマウスコンピューターと同じグループ会社です。

この「SENSE-15FX078-i7-LNFX」はグレード的にはスタンダードクラスの上級モデルという位置づけです。メモリ容量は4GBと少なめですが、パソコン工房の公式ストアで16GBまで増やすことができます。

ストレージはM.2 SSDですが、SATA接続のため読み書きスピードは通常のSSDと同じになります。また、データの保存用にHDDかSSDとのデュアルストレージ構成にすることもできます。

「SENSE-15FX078-i7-LNFX」はこのあとに紹介する機種に比べると突出したハイスペックではありませんが、それでも実は十分な処理性能があるので、メモリ容量だけ16GBに増やせばビデオ編集に十分対応できます。価格も手ごろなので、これからビデオ編集を始めてみたいというビギナーにもお勧めできる機種です。

SENSE-15FX078-i7-LNFXの主な仕様
ディスプレイ 15.6型 フルHD非光沢カラー液晶 (1920×1080)
OS Windows 10 Home 64ビット
プロセッサー インテル® Core™ i7-7700HQ プロセッサー
(4コア・8スレッド、2.80 – 3.80GHz、6MBキャッシュ)
グラフィックス NVIDIA(R) GeForce GTX 1050 2GB GDDR5
メモリ 4GBx1 DDR4-2400
ストレージ 240GB M.2 SSD
価格 88,980円のところ 86,980円(税別)

Lenovo Legion Y720-15IKB

Lenovo Legion Y720-15IKBはゲーム用ノートパソコンですが、ビデオ編集にも十分対応するスペックがバランスよく搭載され、その割に価格も手ごろなのが魅力です。

プロセッサーは第7世代のインテル Core i7-7700HQですが、グラフィックス機能にはNVIDIA GeForce GTX 1060を搭載しているので、プロセッサーが1つ古い分は帳消しですね。

さすがにゲーム用ノートパソコンだけあって、底面には2つの冷却ファンやヒートパイプなどが設けられているので、長時間に及ぶ編集作業時でも安定した動作が期待できます。

Lenovo Legion Y720-15IKBの主な仕様
ディスプレイ 15.6型 フルHD IPS液晶 (1920×1080)
OS Windows 10 Home 64ビット
プロセッサー インテル® Core™ i7-7700HQ プロセッサー
(4コア・8スレッド、2.80 – 3.80GHz、6MBキャッシュ)
グラフィックス NVIDIA® GeForce® GTX 1060 (6GB)
メモリ 16GB (8GBx2) PC4-19200 DDR4 SDRAM
ストレージ 256GB M.2 SSD (PCIe NVMe) + 1TB HDD(5400rpm)
価格 151,286円 (税込み・送料無料)

DELL G7 15 (プラチナ)

「Gシリーズ」は、ゲームやビデオ編集向けとして新しく登場したDellのブランド名です。その昔は「Studioシリーズ」というのもありましたが、相変わらずブランドが迷走するのはDellのお家芸のようなものですね。

と、いきなりディスってしまいましたが、このDELL G7 15、スペック的にはかなり充実してます。6コア・12スレッドになって並列処理能力が大幅にアップした第8世代インテルCore i7-8750Hプロセッサーに加えて、グラフィックス機能にはNVIDIA GeForce GTX 1060搭載ですから、ビデオ編集には十分以上のスペックですね。

また特筆なのがメンテナンス性の良さ。底面のカバーがネジ1本だけでパカッと外せるので、内部のホコリを吹き飛ばしたりしながら長く使い続けられそうです。

DELL G7 15 (プラチナ)の主な仕様
ディスプレイ 15.6-インチ フルHD 非光沢 (1920 x 1080) IPSパネル
OS Windows 10 Home 64ビット
プロセッサー インテル® Core™ i7-8750H プロセッサー
(6コア・12スレッド、2.20GHz~4.10GHz、9MBキャッシュ)
グラフィックス NVIDIA® GeForce® GTX 1060 (6GB)
メモリ 16GB (8GBx2) DDR4 2666MHz
ストレージ 256GB SSD + 1TB HDD (5400rpm)
価格 169,980円 (税抜・配送料込)

HP ZBook 15v G5 (パフォーマンスモデル)

「HP ZBook 15v G5」はコストパフォーマンスの高いワークステーション。

ワークステーションとパソコンの違いというか定義は曖昧ですが、パソコンより高性能で業務用途を想定して作られているコンピューターです。

「HP ZBook 15v G5」は4K対応ディスプレイをはじめ、第8世代Core™ i7-8750H プロセッサー、32GBメモリなど、とてもトータル性能が高い構成になっています。とくにグラフィックス機能には業務用のNVIDIA Quadro P600を搭載しているところが注目ポイントですね。

これだけのハイスペックな構成で税抜きとはいえ20万円ほどの価格に収まっているコストパフォーマンスの良さも大きなセールスポイントだと思います。

HP ZBook 15v G5 (パフォーマンスモデル)の主な仕様
ディスプレイ 15.6インチワイド 4K UHD 液晶ディスプレイ
(非光沢、最大解像度3840×2160)
OS Windows 10 Pro (64bit)
プロセッサー インテル® Core™ i7-8750H プロセッサー
(6コア・12スレッド、2.20GHz~4.10GHz、9MBキャッシュ)
グラフィックス NVIDIA® Quadro® P600 (4GB GDDR5)
メモリ 32GB 2666MHz DDR4 (16GBx2)
ストレージ 256GB M.2 SSD (PCIe, NVMe, TLC) + 1TB HDD (7200rpm)
価格 198,000円 (税抜き)

マウスコンピューター DAIV-NG7510S1-M2SH2

マウスコンピューターの「DAIV」シリーズは画像や映像の制作・編集作業に特化したブランドとして誕生。ノートパソコンでもスペックに妥協のない高いポテンシャルとコストパフォーマンスの良さで、クリエイターたちに安定した人気を保っています。「DAIV-NG7510S1-M2SH2」はプロセッサー、メモリ、グラフィックス機能など主要な各部のスペックも高く、とくにAdobeRGB比100%の4K対応ディスプレイはビデオ編集だけでなく、デジカメの画像処理でも正確な色合いを確認することができます。

DAIV-NG7510S1-M2SH2の主な仕様
ディスプレイ 17.3型 4K-UHDノングレア(AdobeRGB比100%、3,840×2,160)
OS Windows 10 Home 64ビット
プロセッサー インテル® Core™ i7-8750H プロセッサー
(6コア・12スレッド、2.20GHz~4.10GHz、9MBキャッシュ)
グラフィックス GeForce® GTX 1070 (8GB)
メモリ 32GB (16GB×2 PC4-19200 / DDR4-2400 )
ストレージ 256GB M.2 SSD (NVM PCIe接続 ) + 1TB HDD (5400rpm)
価格 269,800円 (税別)