パソコン価格は一時の底値を抜けて、じわじわと上昇傾向にあります。その中で少しでも安いパソコンを買いたいというニーズは少なくありません。
しかし格安パソコンは選び方のポイントや購入場所について事前知識がないと、安いだけで使い物にならないシロモノを買ってしまうことにもなりかねません。
そこで今回は3万円台から5万円台の価格帯に絞って、ちゃんと使えるマトモな格安パソコンの見極め方と買い方、ノート&デスクトップのおすすめ格安パソコンを紹介します。
格安パソコンはどこで買う?
まず、格安パソコンを買おうと思ったら、間違っても家電量販店に行ってはいけません。
量販店は人件費やら店舗の維持費やら、なにかと経費がかかるので、ただでさえ利幅の少ないパソコンの中でも、さらに儲からない格安パソコンなど置きません。
もしお手元に家電量販店のチラシがあったら、ちょっと見てください。そこに5万円以下のパソコンが載っているでしょうか? 仮にあったとしても、手を出してはいけません。それはパソコンの形をしたゴミです。
家電量販店の場合、目玉商品として「比較的」安いパソコンを売ることはありますが、型遅れだったり、インターネット契約との抱き合わせ販売だったりとウラがあります。
もし、のこのこ量販店に出かけて「安いパソコンが欲しいんですけど」と言っても、店員さんの巧みなセールストークに乗せられて、気づいたら8万円、10万円のパソコンを買わされていた、ということにもなりかねません。
では、格安パソコンはどこで買えばいいのでしょうか?
格安パソコンはメーカーの直販サイトで購入
かつては安さで全国を席巻した家電量販店も、今ではさらに安いネットショッピングに押され気味。パソコンだって量販店で買うよりネットで買うほうが安く買えます。例えばデルのパソコンなら量販店よりネットのほうが1万円は安いのが当たり前です。
ただし、ネット通販と言ってもAmazonや楽天市場で買ってはいけません。それは店頭で買うのと同じです。いえ、トラブルが発生した時のことを考えると、地元の量販店で買うほうがまだマシです。
格安パソコンはパソコンメーカーのWebサイトで買う。これに尽きます!
この場合、NECとか富士通のような日本国内の大手メーカーは除きます。国内大手に格安パソコンはありません。
格安パソコンをラインナップしているのは外資系や国内の中堅メーカーです。こういうところは直販サイトでの販売にチカラを入れているので、3万円台のパソコンでもフツーに揃えています。
このページの最後には、おすすめの格安パソコンを紹介していますが、その前に格安パソコンを選ぶときに大切なチェックポイントについて説明します。
格安パソコンを選ぶときは、ここをチェック!
プロセッサのクロック数は2GHz以上が必須
パソコンの基本的な処理性能は、プロセッサ(CPU)でほぼ決まります。
ところがパソコンに詳しくないとプロセッサの種類なんてわかりませんよね? その場合はクロック数に注目してください。
クロック数とはプロセッサが1秒間に何回命令を処理できるかで、GHz(ギガヘルツ)という単位であらわされます。単純にGHzの数字が大きいほど高性能と思って大丈夫です。
で、ちょっと気を付けたいのは、本来はスマホやタブレット用のプロセッサを搭載しているパソコンが増えていることです。こうしたモバイル用プロセッサは価格が安いので格安パソコンに使われることが多くなっています。
モバイル用プロセッサはバッテリーの稼働時間を重視して処理性能を低く抑えているので、全体的にモッサリした動きになり、結構ストレス溜まると思います。
3~4万円台の格安パソコンにはモバイル用プロセッサが使われているものが多いのですが、全部がダメというわけじゃありませんよ。
最近のプロセッサは、ふだんはクロック数を低く抑えておき、必要なときにクロック数を上げる(ブーストする)タイプのものも多く、ベースクロックが1GHzくらいでも、2GHzくらいまでブーストアップされるものであれば合格点です。
「インテル入ってる」よりもAMDが入ってるのが狙い目!
一般的にパソコン用のプロセッサというと、ほとんどがインテル社製ですが、AMDというメーカーもあります。
AMD社はインテルに対抗するため、同じくらいの性能なら価格を安くする戦略を採っています。ということは、インテルのプロセッサを搭載したパソコンよりも、AMDのプロセッサを搭載するパソコンのほうがコスパが高いわけです。
また、AMD社は「Radeon」というブランドのグラフィックスメーカーでもあるので、プロセッサに内蔵されている表示機能がインテルより高性能というウレシイおまけもあります。
ちなみに余談ですが、インテル社は2018年にライバルであるAMD社のRadeonグラフィックスを内蔵するプロセッサをリリースするそうです。意地を張るより負けるが勝ち、というところでしょうか。
メモリ容量は4GBあればじゅうぶん
プロセッサと同じくらい重要なメモリですが、これはあまり気にする必要はありません。
というのは、今どきの格安パソコンでも4GB搭載は当たり前なので、必要にして十分な容量があります。たまにメモリ2GB搭載となっているパソコンも見かけますが、その時点でゴミ認定して構いません。
では、ここまで説明してきたポイントをまとめてみましょう。
- 格安パソコンはメーカー直販サイトで買う
- プロセッサのクロック数は2GHzが目安
- インテルよりAMDがコスパ高い
- メモリは4GBあればOK
ということで、じゃあ具体的にはどんな格安パソコンがあるのか? デスクトップ編とノートパソコン編に分けて紹介しましょう。
オススメの格安デスクトップパソコン
マウスコンピューター「LM-AR352EN2」
マウスコンピューターは国内の中堅パソコンメーカー。某大手家電量販店のオリジナルブランドパソコンを手掛けていた実績もあります。
この「LM-AR352EN2」はAMD社製のプロセッサを搭載するミニタワー型デスクトップパソコン。
プロセッサのクロック数は3.8GHzから最大4.0GHzと十分以上、というより余裕のパワーですね。しかも格安パソコンなのに8GBメモリ搭載と太っ腹。
そして特筆すべきはプロセッサに内蔵された「AMD Radeon HD 8470D」グラフィックス機能。ゲームもできちゃう優れた描画性能は、さすがグラフィックスメーカーの面目躍如です。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
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プロセッサ | AMD A4-7300 APU (2コア 3.8GHz 最大4.0GHz) |
メモリ | 8GB PC3-12800 (8GB×1) |
グラフィックス | AMD Radeon HD 8470D |
ストレージ | 500GB HDD |
光学ドライブ | オプション |
価格 | 46,800円 (税別) |
HP Slimline 270
パソコンのシェアでは世界No.1のHP(ヒューレット・パッカード)のベーシックモデルが「HP Slimline 270」。
ミニタワー型よりコンパクトなボディなので、デスクトップがいいけど置き場所に困るという方には、ちょうどいいでしょう。
プロセッサのクロック数は2.9GHzと十分。先にAMDを見てしまうと見劣りしますが、格安パソコンの用途を考えると大きな不満は感じないレベルです。
ちなみに、電話サポートの他にパソコンの入門書「速攻!HPパソコンナビ特別版」が付属しているので、初心者にもオススメできる格安パソコンです。
OS | Windows 10 Home 64bit |
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プロセッサ | インテル® Celeron® プロセッサー G3930 (2コア、2.9GHz、2MBキャッシュ) |
メモリ | 4GB(4GB×1) |
グラフィックス | インテル® HD グラフィックス 610 |
ストレージ | 500GB HDD |
光学ドライブ | DVDドライブ |
価格 | 43,200円 (税別) |
iiyama STYLE-M022-C-HC
パソコン用のディスプレイとして有名なiiyamaですが、実はマウスコンピューター傘下のパソコンメーカーでもあります。ブランドをはっきり区別するためか、販売はパソコン工房が引き受けているようですね。
「STYLE-M022-C-HC」は下の表だけを見ると、至って平凡なスペックのようですが、変換効率の高い「80PLUS BRONZE」電源を採用しているのがポイント。たいていパソコンのトラブルは電源に由来することが多いので、ここの品質が高いというのは安心して使えることを意味しています。
また電源容量も350Wと少し大きめだったり、拡張用のベイにも余裕があるので、あとからパーツを増設したりするなど購入後のカスタマイズにも対応できるポテンシャルがあります。
そういう意味では、ちょっと玄人好みの格安パソコンかもしれません。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
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プロセッサ | インテル® Celeron® プロセッサー G3930 (2コア、2.9GHz、2MBキャッシュ) |
メモリ | 4GB(4GB×1) |
グラフィックス | インテル® HD グラフィックス 610 |
ストレージ | 1TB HDD |
光学ドライブ | DVDドライブ |
価格 | 43,980円 (税別) |
オススメの格安ノートパソコン
Dell Inspiron 14 3000 エントリー
パソコンのネット販売と言えば、真っ先にデルを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか? 昔ほどインパクトのある安さはありませんが、低価格な割に高い品質で、今でも人気のあるパソコンメーカーです。そのため、代々デルのパソコンを乗り継いでいるユーザーも多いようです。
Dell Inspiron 14 3000 エントリーは一般的な15.6インチ画面より1まわり小さな14インチですが、デスクトップのように使うにも、外へ持ち出すにも、どちらでも使い勝手がいいので根強い人気のあるサイズです。
プロセッサはモバイル用となっていますが、最大2.40GHzまでブーストアップ可能なので、処理性能を重視する人も、バッテリーの稼働時間を重視する人も納得できるスペックでしょう。デルのWebサイトでも「やるべきことが、きちんとできる」と、大きく出ています。
ひとつ注意したいのは、デルは年中キャンペーンと言っては価格がコロコロ変わるので、買うタイミングがつかみにくいところです。また商品によっては割引クーポンコードの入力でさらに安くなるなど、購入にはちょっとテクニックが必要となるのが難点かもしれません。
ディスプレイ | 14.0-インチ HD (1366 x 768) アンチ-グレア ディスプレイ |
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OS | Windows 10 Home (64ビット) |
プロセッサ | インテル® Celeron® プロセッサー N3350 (1.1GHz~最大2.40GHz、2MBキャッシュ) |
メモリ | 4GB |
グラフィックス | インテル® HD グラフィックス 500 |
ストレージ | 500GB HDD |
光学ドライブ | DVDドライブ |
価格 | 39,980円 (税抜・配送料込) |
HP 15-bs000
ディスプレイ | 15.6インチ・非光沢フルHDディスプレイ (1920×1080) |
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OS | Windows 10 Home (64bit) |
プロセッサ | インテル® Celeron® プロセッサー N3060 (2コア、1.60~最大2.48GHz、2MBキャッシュ) |
メモリ | 4GB(4GB×1) |
グラフィックス | インテル® HD グラフィックス 400 |
ストレージ | 500GB HDD |
光学ドライブ | DVDドライブ |
価格 | 41,800円 (税別) |
マウスコンピューター m-Book E400EN
マウスコンピューターの「m-Book E400EN」は14インチ非光沢ディスプレイのノートパソコン。
これもプロセッサはモバイル用ですが、最大2.20GHzまでブーストアップできるので合格点ですね。
このモデル、一番の特徴はストレージにSSDを搭載しているところです。SSDはハードディスクより読み書きスピードが速いので、Windowsやアプリケーションの動作がスムーズ。まるで1つ上のプロセッサを搭載しているようなキビキビした動きが魅力です。
SSDの容量は64GBしかないのでアプリをどんどんインストールすると、すぐいっぱいになるかもしれませんが、サブマシンとして使うのであれば、けっこう狙い目のモデルです。
ディスプレイ | 14型 HDノングレア (1,366×768) |
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OS | Windows 10 Home 64ビット |
プロセッサ | インテル® Celeron® プロセッサー N3450 (4コア/1.10GHz 最大2.20GHz/2MBキャッシュ) |
メモリ | 4GB |
グラフィックス | インテル® HD グラフィックス 500 |
ストレージ | 64GB SSD Serial ATAIII |
光学ドライブ | なし |
価格 | 39,800円(税別) |