ハードウェアとはパソコンを構成する機械の部品のことです。このページでは、それぞれの装置について見ていきます。
中央演算処理装置(CPU)
CPUの役割は各装置の制御と各種の演算を行い結果をメモリに返します。
パソコンの性能は、CPUが発生する振動の間隔が1つの目安になっています。パソコンの内部は回路で結ばれており、それぞれの回路のタイミングを合わせるために周波数が使われます。
オーケストラの指揮者のような役割とでも言えばいいでしょうか。この周波数が高いほど、処理速度が高いということになります。
CPUの周波数は、パソコンの性能を表す目安の代表としてよく使われます。「俺のパソコンは3ギガだぜ!」とか「僕のは1ギガしかないんだよ」という具合です。
但し、この比較は同じシリーズのCPU同士での比較です。例えば、インテルとAMDではCPUの設計に対する考え方が違うので、単純に周波数だけを比較して優劣を決めることはできません。
CPUの内部にはキャッシュ・メモリと呼ばれる空間があります。これはCPUとメモリのあいだにデータを保存しておく場所です。CPUが同じデータを何度もメモリから読みなおすよりも、
自分に近いところにコピーを作っておくほうが早く処理できるためです。
記憶装置
記憶装置は主記憶装置と補助記憶装置に分けられます。
主記憶装置
データの読み込みと書き込みの両方できるメモリをRAM(ランダム・アクセス・メモリ)といい、「ラム」と発音します。パソコンでメモリと言うと一般的にはこのRAMを指し、主記憶装置とも呼ばれます。
RAMは電気が与えられている間だけデータを保持していることができます。ということは、
あなたがもしワープロで文書を作っているときに停電が起こったら、その瞬間に保存していない内容は消えてしまうことになります。
メモリはパソコンの説明で、よく机の上の広さに例えられます。雑誌などで、「メモリ容量が大きい=大きな机で作業がしやすい」などと書かれていたりします。
CPUはメモリからプログラムやデータを読み込んで処理をしますから、メモリの容量が大きいほど素早い処理ができるようになります。
処理の速度は、CPU > メモリ > ハードディスクの順に遅くなるので、メモリの中に読み込まれないプログラムやデータは、ハードディスクから読み込まれることになるので、処理速度は大幅に遅くなります。
OSやアプリケーションソフトが高機能になるほど、プログラムは大きくなっています。
パソコンが必要とするメモリの量は、ドンドン増えてきました。
Windows XPはOS自体が必要とするメモリの容量が多いので、搭載されているメモリの容量が128MB(メガバイト)程度だと、システム自体をメモリに読み込むだけで精一杯です。
ここからメールソフトやブラウザなどのアプリケーションソフトを使うとなると、できれば512MBは欲しいところですが、メモリの価格は小豆相場のように変動します(イヤ、そこまで言うと大げさですが)。購入の際は店員さんに相場の状況を聞いてから買うようにしましょう。パソコンに搭載できるメモリの種類と、どれだけの容量を搭載できるのかはパソコンによって違います。
ROM
RAMに対してROM(リード・オンリー・メモリ)があります。「ロム」と発音します。記憶の保持に電気を必要としません。
ROMはデータの消去や書き換えをできないので、書き換えされると困るようなプログラムやパソコンが最初に読み込むプログラムを記憶させるときに使われます。
VRAM
ディスプレイに表示するためのデータを保持するVRAM(ブイラム)というメモリもあります。VはVideo(ビデオ)のVです。
メインメモリの一部を兼用して使うタイプと、ビデオカードという高性能な表示を行うパーツの中に用意されているタイプがあります。
パソコンゲームには、高性能なビデオカードがないと機動すらしないものがありますが、
普段インターネットやワープロなどが主な使い道なら、メインメモリと兼用タイプのパソコンで十分です。
補助記憶装置
ハードディスクやフロッピーディスク、CD-ROM、USBメモリなどが補助記憶装置と呼ばれます。
ハードディスクの回転速度もパソコンの性能に影響します。せっかく高速なCPUや大容量のメモリがあっても、ハードディスクが遅いと性能のさまたげになってしまいます。
前ページのソフトウェアの説明で、CPUの処理能力がパソコンの性能の目安になると説明しましたが、現在ではCPUの性能が飛躍的に上がってしまい、メモリやハードディスクの処理スピードが追いついていないので、CPUの足を引っ張っている状態になっています。
ハードディスクは大容量化と低価格化が進んでいます。一昔前は、ハードディスクの容量が数百MBだったのが、今では80GB(ギガバイト)以上は当たり前になりました。しかしいずれは大容量のメモリに取って代わられる可能性大です。
入力装置
これは分りやすいですね。キーボードやマウスなどです。他にはスキャナやデジカメも入力装置になります。
キーボードやマウスはコストダウンの標的にされますから、市販品の中から購入して使い勝手を向上させるのも「脱初心者」なテクニックです。
ノートパソコンではキーボードを取り替えるのは無理ですが、デスクトップパソコンなら、
店頭でキーのタッチや全体の大きさなどを確かめて、好みのものに換えると使い勝手が良くなります。
マウスは裏でボールがクルクル回るタイプだと、中にゴミが溜まってスムーズな操作ができなくなります。こんなときは裏ぶたを外し、綿棒でゴミを取ると、またスムーズに動くようになります。それが面倒なら、ボールの代わりに赤外線を使ったものがいいでしょう。
最近は、キーボードもマウスも、ワイヤレス・タイプの製品の人気が高いようです。
出力装置
モニタ(ディスプレイ)やプリンタなどです。
モニタはテレビのようにブラウン管を使った「CRT」と、液晶を使ったタイプがあります。価格はCRT型のほうが安いですが設置場所をとります。
メーカーによっては、調節しても非常に目がまぶしいものもあります(ウチのがそうです)。予算に余裕があれば、液晶タイプをお勧めします。
プリンタにもいろんな種類がありますが、代表的なのはインクジェットプリンタとレーザープリンタでしょう。会社などでは複写式の伝票などを印刷するドットインパクトプリンタも使われますね。
インクジェットプリンタは、ノズルからインクを細かく吹き付けて印刷します。ご家庭だけではなく、企業でも一般的に使われます。近年では写真画質が求められ、低価格のインクジェット・プリンタでも非常にきれいな印刷ができるようになりました。
レーザープリンタは、印刷イメージをレーザー光にして感光ドラムという部品に描きます。そのイメージは静電気によって、トナーと呼ばれるインクが用紙に付着して印刷されます。画質はきれいで音も静かなので、多くの企業で使われています。最近はカラーのレーザープリンタも安くなってきました。
マザーボード
最後になりましたが、すべての部品はマザーボードと呼ばれる基盤に接続されます。マザーボードによって、どんなCPUやメモリが搭載できるかが決まりますので、パソコンの基本性能を決定することになります。まさにパソコンの土台となる重要なパーツです。
ざっと一通りパソコンの構成を見てきましたが、なんとなくでもパソコンの仕組みがイメージできたでしょうか?
パソコンに詳しい人には、自分でパーツを集めて自作を楽しむ人がいます。しかしそのときに問題となるのが、パーツ同士の相性です。
各パーツは基本的な仕様が決まっていますが、パーツメーカーごとの細かな仕様の違いが動作不良となって現れることがあります。組み立てたパソコンが起動もしなかったときなど、どれかのパーツを交換するだけで解決することがあります。
パソコンを自作してみたいけれど、どんなパーツを選んで組み合わせたらいいのかわからないという方もいるのではないでしょうか?
パソコンショップでは、相性問題がでないようにパーツを吟味した組み立てキットも販売されていますから、パソコンの組み立てに興味のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょう?
実際に部品を手にしながら組み立ててみると、百聞は一見にしかず、
もっとパソコンのことが判ります。