2011年11月、インテルから3000番台のプロセッサー・ナンバーを持つ新しいCore i7プロセッサーが発売されました。『Sandy Bridge-E』の開発コード名で呼ばれる新しいCore i7プロセッサーは、今までのものとどう違うのか?
おなじみの?「知っ得!パソコン塾」編集長と編集部員の会話で明らかになっていく・・・・
はずです。
Sandy Bridge-E キタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!!
って感じっすね。首長くして待ってた人も多いみたいですよ。
インテルから新しいCPUが出るのは年中行事じゃねえか。
いちいち喜ぶほどのもんでもないだろう。
でもSandy Bridge-Eは、今までのCore i7よりグッとパワーアップしてますからね。今までのCore i7をパスして待っていた人もいるんですよ。
今のところ(2011年11月時点)Sandy Bridge-Eは6コアの2モデルが先行発売されましたけど、2012年の春までには4コアモデルも投入されるみたいですね。
- Core i7-3960X Extreme Edition (2011年11月発売済み)
- Core i7-3930K (2011年11月発売済み)
- Core i7-3820 (2012年3月までに発売予定)
上の2つが6コア・プロセッサーで、ユーザーがオーバークロックの倍率設定を変更することができるタイプです。
あとから出る予定の「Core i7-3820」は4コア・プロセッサーの下位モデルで、倍率はロックされてるタイプです。
じゃあ「Core i7-3820」って、あんまり人気でなさそうだよな。
そうですね。Sandy Bridge-Eはオーバークロックでどれだけ性能を上げられるか、っていうのを楽しみたい人が買いますからね。
ここからSandy Bridge-Eとは?って話になりますけど、まずはSandy Bridge-Eの2モデルと、既存のSandy BridgeのCore i7-2600Kの主要スペックを比較しました。
Core i7-3960X | Core i7-3930K | Core i7-2600K | |
---|---|---|---|
開発コード名 | Sandy Bridge-E | Sandy Bridge-E | Sandy Bridge |
クロック | 3.3GHz~3.9GHz | 3.2GHz~3.8GHz | 3.4GHz~3.8GHz |
コア | 6コア | 6コア | 4コア |
スレッド | 12スレッド | 12スレッド | 8スレッド |
キャッシュ | L2:256KB×6, L3:15MB | L2:256KB×6, L3:12MB | L2:256KB×4, L3:8MB |
メモリ | DDR3-1600 (最大データ転送速度:12.8GB/s) x 4チャネル |
DDR3-1600 (最大データ転送速度:12.8GB/s) x 4チャネル |
DDR3-1333 (最大データ転送速度:10.67GB/s) x 2チャネル |
TDP | 130W | 130W | 95W |
ソケット | LGA2011 | LGA2011 | LGA1155 |
Core i7-3900番台の2モデルは、どっちも6コア・プロセッサー。ハイパー・スレッディング機能も搭載してますから、一度に12系統の命令を処理できることになりますね。
コアやスレッドが増えると、画像や動画とかの処理は更に強くなるな。
コア数が増えたのに伴って、CPUのキャッシュ容量も増えてますね。
1コアごとの2次キャッシュは256KBずつで変わりませんが、トータルでは2コア分の512KB増。各コアが共有する3次キャッシュはCore i7-2600Kの8MBに対して、Sandy Bridge-E世代では12MBから15MBに増加してます。
キャッシュって、CPUが頻繁に使うデータをコピーしておくメモリだよな。キャッシュ容量が大きいほどCPUの性能が良くなるから、けっこう大きな違いになるな。
もっと大きな違いはメインメモリですね。
Sandy Bridge-Eは4チャネル・メモリですから、Core i7-2000番台の2チャネルから一気に倍増してます。この違いのほうが大きいですよ。
メモリとCPU間の通路が2倍の広さになったわけだ。道路に例えたら2車線と4車線の違いだな。
そしてソケット形状もCore i7-2000番台とは違って、Sandy Bridge-EではLGA2011っていう新しいタイプに変わってます。
じゃあ従来のCore i7-2000番台との互換性はないのか?
ありません。だからCore i7-2600KからCore i7-3930Kに載せかえる、っていうこともできません。
Sandy Bridge-Eは専用の「インテル X79 Express」チップセットを積んだプラットフォームにしか搭載できないんですよ。
下の図が「インテル X79 Express」チップセットを中心としたプラットフォームの概略です。
左上のPCI-Expressが40レーンって、すごくね?
グラフィックスカードをx16+x16+x8とかで搭載できますね。ゲームユーザーにとっては、これだけでも飛びつく理由になりますよ。
Sandy Bridge-Eがパソコン用のCPUとしては最上位グレードってことはわかったけどさ、来年はインテルからまた新しいCPUが出るんだろう?
開発コード名『Ivy Bridge』って呼ばれてるCPUですね。Sandy Bridgeシリーズは製造プロセスが32nm(1ナノメートル=10億分の1メートル)で作られてますけど、Ivy Bridgeは更に微細化した22nmのプロセスルールになります。
じゃあIvy Bridgeが出たらSandy Bridge-Eは格下になるのか?
インテルはSandy Bridge-EとIvy Bridgeの関係をハッキリさせてないみたいですけど、今のところSandy Bridge-EはIvy Bridgeが出ても上位グレードとして君臨しそうですよ。
Ivy Bridgeの特徴ってのは主に製造プロセスの微細化と、内蔵グラフィックス機能の改良にあるんです。CPUに内蔵されたグラフィックス機能はSandy Bridgeで大きく改良されましたけど、Ivy Bridgeではさらに改良されるようですね。
でもあくまで内蔵グラフィックスとしてはということで、強力なグラフィックス・システムを構成できるSandy Bridge-Eのほうが絶対的なパフォーマンスは上回るでしょうね。
自動車に例えると、2000ccや3000ccクラスが次に出るIvy Bridge世代のCPU。設計自体はそれより古くなるけど絶対的な性能は上回る5000ccクラスのスーパーカーがSandy Bridge-Eって感じですね。
車だって今は軽自動車ばっかりだから、大排気量車なんてよっぽどクルマ好きじゃないと乗らないよな。
熱心なクルマ好きの人を「エンスージアスト」って言いますけど、Sandy Bridge-Eの「E」もエンスージアストって意味なんですよ。
そうなんだ。なんとなく「E」ってなんだろうって思ってたw
一般的なパソコンユーザーにとっては既存のCore i7-2000番台でも十分ハイスペックですけど、Sandy Bridge-Eを求める人たちは、「パソコン・エンスー」なユーザーなんですよ。
クルマでエンスーなんて金持ちじゃないとできないけど、パソコンならせいぜい20万円もあればエンスーできるしな。
マウスコンピューターのSandy Bridge-E搭載モデル。「Core i7-3930K」で119,700円、「Core i7-3960X Extreme Edition」搭載でも199,500円でエンスーできます。 Sandy Bridge-E搭載モデル特集ページ |