TCP/IPとIPアドレス

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TCP/IP

インターネットが生まれる以前のコンピュータがネットワーク経由で通信するには、同じメーカーのコンピュータ同士でなければなりませんでした。メーカーが違うとコンピュータ同士が通信するための規格も違います。例えて言えば日本語しか話せない人が外国人と話すようなものです。

そのためインターネットではどんなコンピュータでも互いに通信できる共通規格としてTCP/IP(ティーシーピー・アイピー)が使われるようになりました。TCP/IPを使えば種類の違うコンピュータ同士でも互いに話をすることができます。世界中の人たちがみんな英語ペラペラになったようなものです。

TCP/IPは元々ARPAネットという軍事ネットワークのために作られた通信規格で、UNIX(ユニックス)というコンピュータで使われていました。そのあとにWindowsやMacintoshでも使われるようになり、たくさんの異なる種類のコンピュータが同じ言葉を使って自由に通信できるようになっています。

IPアドレスとドメイン

能書きばかりじゃ飽きてしまいますね。ここからは具体的にインターネットの仕組みを見ていきましょう。

Webブラウザで一番最初にYahoo! Japanが表示されるようにしている人も多いでしょう。じゃあどうしてYahoo! Japanのページがあなたのブラウザに表示されるんでしょうか?

そのキーワードが、IPアドレスドメインです。

Yahoo! Japanのトップページが表示されると、Webブラウザのアドレス欄には、http://www.yahoo.co.jp/ と表示されていますね。これがYahoo! Japanのトップページがある場所です。

実は182.22.59.229でもYahoo! Japanが表示されます。この182.22.59.229という数字の並びがIPアドレスです。電話番号に例えると、XXXX-XX-XXXX番のようなものです。

※WebサイトのIPアドレスを調べるには、Windowsだとコマンドプロンプト(DOS窓)に nslookup www.yahoo.co.jp と打ち込むとわかります。

でもIPアドレスは数字の羅列ですから覚えにくいので、人間にわかりやすいようにyahoo.co.jpなどとつけた名前がドメインです。携帯電話の住所録に「○○ちゃんの携帯」と登録しておくのと同じです。

人間にとってはyahoo.co.jpのほうが覚えやすいのですが、コンピュータは182.22.59.229でなければわかりません。

コンピュータはWebブラウザからhttp://yahoo.co.jp/というドメインを要求されると、そのドメインのIPアドレスは何番なのかを、ドメインとIPアドレスの対照表を持つドメイン・ネーム・サーバー(DNS)というコンピュータに問い合わせます。

簡単に言うとドメイン・ネーム・サーバーはコンピュータのための番号案内ですね。Webブラウザはネームサーバーから「お尋ねのyahoo.co.jpのIPアドレスは、182.22.59.229でございます」と教えられて、コンピュータはYahoo!に接続できるようになります。

普段インターネットを使うとき、一番近いネームサーバーはプロバイダのネームサーバーになります。ルーターを使っていればルーターにも最近使ったアドレスの対照表が記憶されていますし、パソコン自身が覚えているものもあります。

DHCPサーバー

インターネット契約をするとプロバイダからIPアドレスが割り当てられますが、いつも同じIPアドレスが使えるのではなく、時間が経つと別のIPアドレスが割り当てられます。仮に今割り当てられているIPアドレスが123.234.345.111だったとしても、次にインターネットへ接続すると123.234.345.222に変わっている場合があります。

なぜというと、IPアドレスは数に限りがあるのでパソコンの電源がオフになっているなどインターネットを使っていないときのコンピュータにまでIPアドレスを与えっぱなしにしないで、接続が切られたあとはIPアドレスをプロバイダに返却するようになっています。

プロバイダは会員のコンピュータからインターネットへの接続要求があると、そのときに空いている番号を貸し出します。ただ、しばらくのあいだは何度か同じ番号が割り当てられることもあります。

このIPアドレスを貸し出す係りのコンピュータをDHCPサーバーといいます。私たちが使っているパソコンやルーターにはDHCPクライアントというIPアドレスを受け取る機能があるので、DHCPサーバーから渡されたIPアドレスを受け取って使うことができます。

参考書籍の紹介

私が今までに自分で購入して読んだネットワーク関連の書籍のうち、わかりやすくて良かったものだけを選んでみました。タイトルに「初心者向け」と書いてあっても、いざ読んでみると難しすぎて挫折してしまう本も多かったのですが、この2冊はどちらもわかりやすく説明されています。インターネットの仕組みを、もう少し知りたい方は参考にしてみてください。

ネットワーク初心者のためのTCP/IP入門

ネットワーク初心者のためのTCP/IP入門

著者:上野宣
出版社:白夜書房
本体価格:2,400円

TCP/IPの最初の入門書に最適です。どうしても難しい説明になってしまうTCP/IPですが、
表示のイメージどおりポップなイラストを多用しながら、大き目の文字でわかりやすく説明されています。私が5冊目に買った本ですが、最初にこの本を読んでおくと、あとが楽だった気がします。

 

図解入門よくわかる最新LANの基本と仕組みインターネット対応標準クライアント/サーバーシステム

図解入門よくわかる最新LANの基本と仕組みインターネット対応標準クライアント/
サーバーシステム

著者:大沢文孝
出版社:秀和システム
本体価格:1,800円

 項目を細かく分類して、いずれも見開き2~4ページ程度に収まるように説明されています。
ネットワーク全般について、もう少し具体的に知りたいことが、過不足なくまとめられていますので、上の「TCP/IP入門」を読んだあとの2冊目としていいと思います。