ネットワークで、どこでも印刷

インクジェット・プリンタは今や1万円程度の機種でも、お店プリントと変わらないほどきれいな画質が得られるようになりました。最近は自動的に色調を補正するだけでなく、小顔・美白機能を備えるものまであり、ちょっとずれた付加価値合戦の様子を呈しています。

ところが余計なお世話は満載なのに、未だに見落とされていると言うか軽視されているのが、プリンタのネットワーク機能です。

今どき複数のパソコンがある家庭は珍しくもないのに、印刷するときはプリンタのところまでノートパソコンを持っていったり、プリンタを接続しているパソコンでしか印刷できない、という場合がまだまだ多いようです。

そこで、「プリンタをどこからでも印刷できるようにしちゃいましょう!」と言うのが、このページのテーマです。

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どこからでも印刷できるための3つの方法

ここからはインクジェット・プリンタを、どのパソコンからでも印刷できるようにする方法を紹介します。高画質な印刷がいつでもどこでも手軽にできるように、あなたの環境に適した方法を選んでください。

プリントサーバーを使用する

すでにルーターに複数のパソコンを接続している場合は、市販のプリントサーバーを追加することで、手軽にプリンタをネットワークに組み込むことができます。

プリントサーバーをルーターとプリンタの間に有線または無線で接続することで、どのパソコンからでも印刷が可能になり、スピーディーな印刷速度が得られるのがメリットです。

プリントサーバーによっては有線LANに限定された製品もありますが、今後のことを考えると有線・無線の両方に対応した製品がいいでしょう。どちらも価格差があまりないので、家庭内LANを有線から無線にするときでも、プリントサーバーを買い換える必要がありません。

EPSON 無線プリントアダプタ [PA-W11G2]左の画像は、キャノンプリンタの純正プリントサーバとして販売されている「C-6700WG」です。

有線・無線の両方で使用でき、キャノンの複合タイプ「MPシリーズ」に備わっているスキャナ・FAX送信・カードリーダー機能にも対応しています。

 エプソンプリンタ用には「PA-W11G2」が純正のプリントサーバとして販売されています。
こちらも有線・無線に対応し、ネットワーク経由でのスキャナ機能などがサポートされています。
またプリントサーバーはこれら以外にも各周辺機器メーカーから市販されているので、その中から用途や予算に応じた製品を探すのもいいでしょう。

Bluetoothアダプタを使用する

Bluetoothとは、およそ10m程度の近距離通信を行う無線規格です。正確にはネットワークと言うよりも、Bluetoothに対応したプリンタとパソコンの間で、相互にワイヤレス通信が可能となります。

キヤノン Bluetoothユニット BU-20

画像はキャノンプリンタのオプションとして販売されている「BU-20」です。

Bluetooth対応のパソコンや携帯電話からもワイヤレスで印刷できる手軽さがメリットです。その反面、印刷スピードはプリントサーバに比べて若干遅め。またBluetoothに非対応なパソコンでは使えないのがデメリットです。

Bluetooth機能に対応しているかどうかは、お使いのプリンタやパソコンのマニュアルを確認してください。

Bluetoothのプリントアダプタも各周辺機器メーカーから販売されていますので、他のメーカーや古いプリンタをお使いの場合は市販製品から選ぶこともできます。

 ネットワーク対応プリンタの購入

これから新しいプリンタを購入するのであれば、ネットワークや無線LAN機能を内蔵したプリンタを選ぶのがいいでしょう。

国内ではキャノンとエプソンが2大メーカーとして君臨していますが、LAN機能だけを比較してみると、キャノン製品でLAN機能を備えるのは、最上位モデルの「MP970」のみ。しかも有線LAN限定。エプソンはカラリオシリーズの上位モデル「PM-T990」と「PM-T960」の2機種で、有線・無線LANに対応しています。

キャノン MP970 エプソン PM-T960
キヤノン PIXUS MP970 EPSON PM-T960 マルチフォトカラリオ インクジェット複合機

キャノンもエプソンもネットワークへの対応は、本体よりもプリントサーバに委ねている様子で、共に上位機種にしか用意されていません。もちろんプリンタ本体にLAN機能が内蔵されていなくても、市販のプリントサーバを使えば、ほとんどのプリンタをLANに組み込むことはできます。但しインクの残量警告やFAX・スキャナなど付帯機能にどこまで対応しているかは、それぞれの製品ごとに違いはあるかもしれません。

複数のPCにはプリントサーバー。一台ならBluetooth

ここまでプリンタのネットワーク化を実現する手段として、

  • プリントサーバーを使用する
  • Bluetoothアダプタを使用する
  • ネットワーク対応プリンタの購入

と3つの方法を見てきました。中でもベストなのは、プリントサーバーを使用する方法だと思います。仮にプリンタが持つすべての機能に対応していなかったとしても、家じゅうどのパソコンからでも印刷できるようになるメリットは大きいはずです。

また価格的に見てもプリントサーバーを内蔵した上級機種を購入するより、プリントサーバーを別途購入するほうが、低価格なプリンタに買い換えても使い続けることができます。
家庭内に複数のパソコンがある場合なら、機能とコストの両方でプリントサーバーが一番です。

自宅の一室やアパートなどで、ノートパソコン一台しか使っていないような場合では、Bluetoothの手軽さも魅力です。インターネットは無線LAN、プリンタはBluetoothにすれば、完全にワイヤレスでパソコンを使うことができます。

印刷の画質がここまできれいになると、各プリンタメーカーはいろいろな付加価値を強調するようになりました。しかし実際にプリンタを使うユーザーが不便に感じるのは、好きなときにどこからでも印刷できないことじゃないでしょうか。

小顔や美肌機能もけっこうですが、メーカーにはプリントサーバーを安価に提供するなど、根本的なサービスを期待したいと願って、この記事を書いてみました。

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