SSDってなんだ? 其の二

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前回の SSDってなんだ? 其の一 では、ハードディスク(HDD)の替わりとしてフラッシュメモリを使ったSSD(Solid State Drive)が普及し始めていると紹介した。

しかしHDDに比べると耐久性が低いとも言われるため、SSDを搭載したパソコンへの買い替えは時期尚早だろうか?

今回はSSDの2つの種類「SLCとMLC」についてと、耐久性向上のために採られている「ウェアレベリング」についてレポートする。

SLCとMLCとは?

今回はSSDの耐久性はどうなんだ?がテーマですけど、その前にSLCとMLCと言う、SSDの2つのタイプについて話をさせてください。

まずSSDは「セル」という区画にデータを保存するんですが、そのセルにデータを1ビット(bit)しか保存できないものは「SLC」(Single Level Cell)って呼ばれます。

SLCは高速な読み書きスピードがメリットですけど、1ビット、つまり0か1のどっちかしか保存できないので記憶容量が少ないのがデメリットです。

記憶容量を大きくするには、セルを増やすしかない。つまり価格も高くなるってことだな。

そうなんです。そこで1つのセルに数ビットのデータを保存できるように拡張したのが「MLC」(Multi Level Cell)です。MLCはセルの数は増やさず1セルあたりのデータ量を増やせるので、低コストで大容量化できるのがメリットです。

その反面、読み書きスピードはSLCより若干遅くなりますけど、それでもHDDに比べれば超高速ですから、パソコン用ではMLCがSSDの主流になってます。

SSDの寿命は書き換え回数が上限?

で、いよいよ本題のSSD耐久性についてですけど、SSDのようなフラッシュメモリを使った記憶装置は、データを書き換えられる回数が決まってます。なので同じ場所ばかりで書き換えが行われると、その部分だけ劣化が進んでしまいます。

いつもノートの同じページにばかり書いたり消したりしたら、早く破れちゃうみたいなことか?

そんなことする人はいないと思いますけど、まあそうですね。

そこでSSDでは、データが書き換えられる場所を平均的に分散させる「ウェアレベリング」っていう技術が使われています。

例えばCPUがデータを保存するとき、赤い部分ばかり指定してしまうと、この部分ばかり書き換え回数が多くなって劣化が進んでしまいます。そこでもしCPUが赤い場所を指定したら、実際には白い部分にデータを保存するんです。

ウェアレベリング

でもよ、ちゃんと指定された場所に保存しないと、次にデータを読み出すときに困らないか?俺、いつも家の鍵どこに置いたか忘れちゃって困るんだけどよ。

コンピュータは編集長と違って几帳面なんで、実際にデータを保存した場所を「アドレス変換テーブル」に記録しておくんです。

例えばCPUがBの2に書き込めって言っても、SSDは書き込み回数が少ないBの1に保存して、忘れないように「B2→B1」みたいな感じで記録するんですよ。

俺が飲み屋の姉ちゃんの携帯番号を、シークレットモードに保存しておくのと同じだな。

まじめに聞いてくださいよ!(怒)
ウェアレベリングは特に1つのセルで数ビットのデータを記憶するMLCに効果的ですね。データの保持量が多いところにアクセスが集中するとダメージが加速しますから、こうして分散化できると大容量化と耐久性の向上が同時にできるんですよ。

理屈はわかったけどよ、実際にHDDと比べるとSSDの寿命って言うか耐久性は、どれくらい違うんだよ?

ぶっちゃけた話、僕らのような一般ユーザーが気にする必要はないほど耐久性はあるようです。SSDメーカーの仕様やパソコンの使用頻度にもよりますけど、1日に数10GB(ギガバイト)のデータを書き込んでも数10年は持つとも言われてます。

現実的にはSSDよりパソコン本体の寿命が先に来そうですね。SSDの耐久性は今後もドンドン伸びていくと思いますよ。ただ記憶装置がなんだろうと、大切なデータは定期的にバックアップしておくことが大事っていうことは変わりませんね。

なんだよ、最後は無難なコメントでまとめやがって。