「コンピュータ」と「コンピューター」どっちが正しいの?

IT系の用語ってカタカナで表記されるものが多いですよね。例えば「コンピュータ」「メモリ」「プリンタ」とか。でも同じ意味の用語でも「コンピューター」「メモリー」「プリンター」など、末尾に長音記号がつけられることもあります。

じゃあ「コンピュータ」と「コンピューター」、「メモリ」と「メモリー」、「プリンタ」と「プリンター」では、どちらの書き方が正しいのでしょうか?

結論から言えば、どちらでも構いません。

「コンピュータ」と書いても「コンピューター」と書いても間違いではありません。これらの語句は書き手や媒体によって割りと自由に(曖昧に)使われているのが現状です。このサイトでも厳密に使い分けてきたことはありません。

IT用語では語尾を伸ばさず「コンピュータ」とか「メモリ」などと表記することが多いようですが、その理由は、なんと戦前にまでさかのぼるそうです。

「工学系の学術用語では、3音以上のカタカナ用語の末尾の音引きを省略するのが原則。これは戦前に全日本科学技術団体連合会という団体が決めたもので、その元には英語発音への誤解がありますが、工学系学術用語やJIS用語の多くはこのルールをそのまま踏襲しているんです。当時は物資難で活字も不足しており、『ー』1字でも減るとありがたいという時代背景もあったようですね」(早稲田大学メディア文化研究所・森 治郎教授)
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/rxr_detail/?id=20080918-90005055-r25

そもそもは『ー』という長音記号の活字を節約したのが理由、という説もあるんですね。さらに昔のコンピューターはメモリや表示面積が小さかったので、1文字でも減らしたいというニーズもあったようです。

わたしたちの暮らしにパソコンが普及したころには、既にたった1文字を節約する必要はなかったはずです。でも業界の慣習として末尾の長音記号を省く表記スタイルが続いてきたのですね。

引用にあるように、JISでは2音以下の単語は長音記号を省略せず、3音以上の単語は長音記号を省略するとなっています。例えば「カバー」や「エラー」は2音なので長音記号あり、「コンピュータ」や「メモリ」は3音以上だから長音記号なし、という具合です。

でも、わたしたちがコンピューターを使い始めたころ、長音記号を省略した表記に違和感がなかったでしょうか?

なんで「コンピューター」じゃなくて「コンピュータ」なの?
なんで「メモリー」じゃなくて「メモリ」なの?
なんで「フォルダー」じゃなくて「フォルダ」なの?
疑問に感じた人は多かったと思います。

でもパソコンの本やインターネット上では語尾を伸ばさない書き方が多かったので、「この世界では、こういう書き方なんだ」と受け入れてきました。でも、やっぱり長音記号を省略した表記だと変な感じがします。

突然ですが、松崎しげるの「愛のメモリー」って曲、知ってますか? もし、この曲名が「愛のメモリ」だったら、ちょっとニュアンス変わります。「愛のメモリー」なら、せつない愛の「想い出」というニュアンスが伝わりますけど、「愛のメモリ」だと、男性遍歴とか女性遍歴も単なる「履歴」みたいなニュアンスになりませんか?

なりませんか。そうですか。

とにかく、もうちょっと自然なニュアンスに直そうよということで、2008年にマイクロソフトが「内閣告示第二号」に原則として準拠するという方針に変更しました。

今後弊社が採用する長音表記ルールは、国語審議会の報告を基に告示された1991年の内閣告示第二号をベースにしたものです。このルールでは、英語由来のカタカナ用語において、言語の末尾が-er、-or、-ar などで終わる場合に長音表記を付けることを推奨しています。
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3491

英単語の綴りが「er」「or」「ar」などで終わるもの。つまり単語の末尾を伸ばしたときに「あ」になるものは長音記号をつけることにしました。これに基づいてマイクロソフトでは「マイコンピュータ」を「マイコンピューター」、「フォルダ」を「フォルダー」などに表記を改めています。また、マスコミも「内閣告示第二号」に沿った表記にしているので、長音記号をつける表記が「一般的」になってきました。

但し「コンピューター」と語尾を伸ばすより「コンピュータ」のほうが実際の発音に近いと言う人がいたり、「フォルダ」や「プリンタ」など語尾を伸ばさないほうがカッコいいなど、人によって好みが分かれるようです。

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