読書はしたいけれど、読む時間がない。そんな人たちに人気なのがオーディオブックです。
本の内容をプロのナレーターや声優が読み上げてくれるので頭に入りやすく、読書の時間を捻出する必要もないのが人気の理由です。
ここではオーディオブックによる「聴く読書」のメリットを紹介します。
通勤中や家事をしながらでも読めるオーディオブック
本を読んだら要約しよう、書評を書こうなど、近ごろは読書後のアウトプットの大切さを説く声が増えています。たしかに読んで終わりよりも、なんらかの形で出力するほうが読書を血肉にしやすいのは確かです。
しかし実際にはアウトプット以前に、忙しくて読書の時間がないという方も多いのではないでしょうか? たとえば250ページのビジネス書を一冊読もうとすれば、速くても4~5時間はかかります。
朝はギリギリまで寝ていたい、夜は疲れて読む気にならない、休みは家族と外出など、読書のためにまとまった時間を確保するのは意外と難しいものです。
でも、ほんとうに本を読む時間はないでしょうか? たとえば通勤時間を読書にあてられたらどうでしょう。往復2時間ならビジネス書を毎週2冊、毎月10冊、1年なら120冊は軽く読破できます。
と言うと、「満員電車の中やクルマの運転中に読めるわけないだろ」と言われるかもしれません。専業主婦の方も家事や育児などで、のんびり読書をする時間はないでしょう。
でも「本を聴く」だけなら、通勤中や家事をしながらでも大丈夫ですよね?
オーディオブックなら手や目を使わなくも「耳で読書」できるので、通勤中や家事をしながらでも好きなだけ本を読むことができます。
本は目で読むより、耳で聴くほうが記憶に残る
テレビで聴いた歌や誰かの話が、なぜか記憶に残っていることがありますよね。集中して聴いていたわけでも、覚えようとしていたわけでなくても、耳から入ったことは頭に残りやすいものです。歌の歌詞ならすぐ覚えられるのに、般若心経はなかなか覚えられませんよね。
このように、人間の脳は文字よりも、絵や音など単純な情報のほうが頭に入りやすくなっています。文章を読むふつうの読書は、文字の意味を理解する → イメージに変換するという2段階のステップを踏みます。しかしオーディオブックの音声はそのままイメージに変換されるため、活字を読む読書よりもラクに内容をインプットすることができます。
2倍速、3倍速再生で脳トレ効果もアップ!
「速聴」という言葉を聞いたことがありますか?
一時期、本を速く読める「速読」が流行ったことがありますよね。わたしも何種類かの速読術にチャレンジしたことがありますが、ちゃんと内容が頭に残っていたことはほとんどありません。
しかしオーディオブックを1.5倍速や2倍速で再生すれば、下手な速読術よりもラクにしっかりと内容が頭に残ります。というより、たいていのオーディオブックは1.5倍速くらいで聴くとちょうどいいので、二度目に聴くなら2倍速でもじゅうぶん理解できます。
一冊をふつうに聴くと4時間かかるオーディオブックも2倍速なら2時間で聴き終えられます。同じ時間で2回聴くほうが、ゆっくり1回聴くよりも理解を深めることができるので、慣れてきたら倍速再生がおすすめです。
重要ポイントのリピート聴きで効率的な読書が可能
オーディオブックは章ごとなどの単位で音声ファイルが分割されているので、必要なところだけを繰り返し聴くこともできます。こうすれば、より短い時間で密度の高いインプットが可能になります。
とくにビジネス書は肝心な部分が1つか2つの章に集中しているので、そこだけ読めば内容の80%は把握できるようになっています。
たとえば第1章から第5章まである本なら第3章と第4章が肝心な部分で、その他の章は、なぜこの本を読む必要があるのか、読むとどういうメリットがあるのか、著者のエピソードなど、一冊の本という体裁を整えるために書かれた「割とどうでもいいページ」が大半を占めています。
なので重要なところだけを倍速再生で何度も聴くほうが、活字の本をゆっくり読んで終わるより、はるかに血肉となる読書ができます。
こうして何度も重要ポイントを聴けば自然と頭の中で要点が整理されるので、あとから本の内容を要約したり書評を書くときも的確で質の高いアウトプットができるようになります。
情報過多といわれて久しい現在ですが、マスコミやネット情報ばかりではウソの情報にまどわされてしまいます。良質な情報を得るには、編集や校閲などのチェックを通過した良質な本を読むことが欠かせません。そのためにも「聴く読書」なら、少ない労力で質の高いインプットとアウトプットが両立できます。
現在、オーディオブックが利用できるサービスは、Amazonの「Audible(オーディブル)」と「audiobook.jp」 の2つが主流となっています。わたしは「audiobook.jp」の読み放題プラン(月額750円)を継続利用していますが、どちらにするかは無料のお試し期間で試してから選ぶといいでしょう。