わかりやすい操作性

私たちの周囲はいろいろな機械やシステムで作られています。しかし使いこなせば便利でも、始めて使う人にとっては判りにくいものばかりです。先日テレビ番組でこんな内容が特集されていました。

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携帯電話の販売店が、シニア向けに操作の説明会

ある携帯電話の販売店ではシニア世代に対して、無料で携帯電話の使い方をレクチャーするというサービスを始めました。このサービスを利用した受講者の反応は良く、「孫に絶対無理!と言われた」携帯電話の使い方が判ったと好評でした。

私も携帯電話を利用しますが、基本的に通話ができればいいというだけの使い方に割り切っています。2冊も付いてきたマニュアルにはたくさんの機能が説明されていますが、ほとんどは私にとって利用する機会のないものばかりです。たまに他人の電話番号を登録しようとすると、自分が使っている携帯電話ですら、やり方を思い出せずに困ってしまうことがあります。

こんな経験は私だけではないでしょう。たくさんある機能のうち自分が使いたいものは2つか3つしかないのに、その方法を探し出すのに疲れてしまいます。携帯電話メーカーもこうしたユーザーの声を反映して、シンプルな機能に押さえたりボタンを減らして大きくするなど、使い勝手の良い機種を用意するようになりました。

家電量販店が有料でデジタル家電製品の操作指導

また別の店ではデジタル家電の購入者に対して、自宅に訪問して使い方をレクチャーするというサービスを提供しました。

番組の中ではシニア世代の方がサービスを受けている様子が紹介されていましたが、その人が言うには、「使い方が判らなくて10%しか機能が使えないより、有料でも使いこなせるように教えてもらえるほうがいい」とのことでした。

出張料金は1万数千円を支払っていましたが、高額な商品を購入した上に、使い方を覚えるため更に支出が必要になったわけです。

使えない機能は、無いと同じ

携帯電話とデジタル家電、2つのケースに共通しているのは、便利な機能が用意されていても、利用者が判らなければ意味がない、ということでしょう。使う人がパッと見て何をどうすればいいのか判るような操作性が、今後はもっと要求されてくるでしょう。

多機能で判りづらいソフトといえば、ワープロや表計算ソフトが代表格でしょうか?

利用機会が多いので、パソコンスクールでは最も人気の高い講座になっています。書店に行けば「できる」とか「わかる」というタイトルが付いたワープロや表計算ソフトのマニュアルが並んでいます。実際に売れてもいるようです。

ソフトウェアを購入するとマニュアルが付属しているのに、どうして市販のマニュアルが売れるのか? それは付属のマニュアルが判りづらいからです。

OSもソフトも年々改良されていくのに、どうして製品に付属するマニュアルだけはいつまで経っても判りづらいのか不思議です。市販のマニュアルを作る出版社からバックマージンでも受けているのか?と勘ぐりたくもなります。

パソコンが普及して10年以上経ちます。それでも入門書が売れ続けるというのは、まだまだ判りやすいものにはなっていないという証拠なのでしょう。

便利な機能は多いに越したことはありません。でもその使い方が判らなければ、利用者にとっては逆に不便な思いをすることになります。使えない機能は無いと同じです。

コラム
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