パソコンを選ぶときには価格やデザインも重要ですが、なんと言っても一番気になるポイントは処理性能ですよね。
パソコンの処理性能を表す目安となるのがプロセッサー(CPU)の「クロック数」という数値ですが、「プロセッサーとかクロック数って何?」と訊かれると、分かったような分からないようなモヤモヤする人も多いと思います。
そこで今回は「プロセッサーのクロック数とは何か?」「クロック数はどれくらいあればいいのか?」について、だいたい分かるように説明します。
クロック数はテンポをあわせるメトロノーム
クロック数とは? の前に、まずはプロセッサーについて簡単に説明します。
プロセッサーはアレコレの命令を計算処理する部品で、パソコンのエンジンのような存在です。フルネームで言うと「Central Processing Unit」、略して「CPU」と呼ぶことも多いですね。
クロック数(動作周波数)というのはプロセッサーの性能を表す目安の一つで、この数値が高いほど処理性能が高いと言えます。周波数は一定の周期で上がったり下がったりしますが、1回あたりの上下動を1クロックといい、Hz(ヘルツ)という単位で表します。
現在のパソコンはクロック数が低いものでも1.0GHz以上、つまり1秒回に10億回のクロックを発生するプロセッサーが搭載されています。
クロック数がアップするターボ機能
プロセッサーによっては、クロック数が可変するタイプのものもあります。
メールやtwitterを読むときに高い性能は必要ありませんが、高画質な動画を再生したりビデオを編集するようなときは、できるだけ高いクロック数が必要になります。そこで最近のプロセッサーには、使用状況にあわせて、クロック数を上げたり下げたりできるものがあります。
上のイラストのようにクロック数が2.0GHzから3.0GHzとなっているプロセッサーなら、ふだんは2.0GHzで動作していますが、ビデオ編集など高い処理性能が必要になると自動的に3.0GHzまでクロック数が上昇します。
こうした機能をインテル社では「ターボ ブースト テクノロジー」、AMD社では「ターボ コアテクノロジー」と呼んでいます。
潜在パワーを引き出すオーバークロック
ターボ機能でクロック数を変えられるプロセッサーでも、ふつうはメーカーが設定した範囲内でしか変化させることはできません。「2.0GHz(最大3.0GHz)」となっていれば、どんなに頑張っても3.0GHzが限界です。ところが一部のプロセッサーには、ユーザーが設定を変更してさらに限界を高くできるものがあります。
ただしオーバークロックはプロセッサーに余計な負担をかけることになりますし、設定をミスって壊す可能性もあるので、知識や経験のないユーザーが安易に試してみるのはお勧めしません。また、その必要もないでしょう。
クロック数はどれくらいあればいいのか?
ここまででクロック数が何かは、だいたいお分かりいただけたでしょうか?
「だいたい分かったけど、じゃあ、どれくらいのクロック数があればいいんだ?」と疑問に思うのが当然ですよね。
結論を言えば「使い方によって必要なクロック数は違います」となりますが、それでは答えになりませんので、個人的な見解で言います。
Webサイトで動画を観たりするくらいの一般的な使い方なら、クロック数は2.5GHz程度あれば十分です。と言うのは、ウチにある一番古いパソコンのクロック数が2.5GHzで、これで動画の視聴まで、ほとんど過不足なくこなせているからです。
反対に、サブ用に買ったノートパソコンは1.5GHzしかなかったため、全体に動きがモッサリしていたので、あまり使わずにお蔵入りとなってしまいました。
日常的な使い方ならクロック数は2.5GHz、ビデオ編集にも使うなら3.5GHz以上のクロック数があるプロセッサーをお勧めします。