ファイルの圧縮と展開(解凍)ってなに?

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インターネットからダウンロードしたファイルや、電子メールに添付されたファイルが圧縮ファイルになっていることがよくありますね。どうしてこんな面倒くさいことをしているんだろう、と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回は、圧縮ファイルとは何か、どうして圧縮する必要があるのか、ファイルを圧縮したり元通りに展開する方法、Mac OSから送られてきた圧縮ファイルが文字化けしているときの対処法についてお話しします。

圧縮ファイルとは何か?

圧縮ファイルというのは、ある計算方法に基づいてファイルのデータ量を小さくしたものです。

これは例えばの話ですが、「AAAABBCCCCCC」というデータを「Aが4つ、Bが2つ、Cが6つ並んでいる」という規則性に目をつけて「A4B2C6」と表せば、データ量は元の「AAAABBCCCCCC」よりも小さくすることができます。

このデータを小さくするための計算方法をアルゴリズムといい、アルゴリズムに基づいてデータ量を小さくしたファイルを圧縮ファイルといいます。

圧縮ファイルは、そのアルゴリズムに対応しているアプリケーションで元の状態に復元することができ、この復元することを展開や解凍と呼びます。

なぜファイルを圧縮する必要があるの?

では、どうしてわざわざファイルを圧縮する必要があるのでしょうか?

例えば、あなたがデジカメで撮影したたくさんの画像を友達に送るとします。そのとき画像のデータ量は、かなり大きなものになっているはずです。

もし、友人が低速なインターネット回線だったり、パケット単位の従量制プランだった場合、データ量が大きいと受信に時間がかかったり通信料金がかさむなど、相手に迷惑がかかってしまいます。

そのため、ある程度大きなサイズのファイルを送るときは、あらかじめ圧縮してデータ量を小さくしてから送るようにします。

ここで「ある程度大きなサイズ」とは、どれくらいなのか? と疑問に思うところですが、具体的な基準はありません。数10KB程度のファイルを1つ送るくらいなら圧縮する必要はありませんが、ファイルサイズが1MB以上になる場合や、複数のファイルを送る場合はまとめて圧縮するといいでしょう。

Windowsで圧縮と展開を試してみよう

ファイルの圧縮方法には、アルゴリズムの違いによってたくさんの形式があります。WindowsではかつてLZH形式が多く使われていましたが、今はZIP形式が標準機能として利用できるようになっています。

ここではZIP形式で複数の画像ファイルとテキストファイルを1つの圧縮ファイルにしたり、その圧縮ファイルを元通りに展開する方法を見ていきましょう。

今回は4つの画像ファイルと4つのテキストファイルを1つにまとめて圧縮してみます。

圧縮する前の状態でデータ量は合計4.47MB

 

圧縮したいファイルを全て選択状態にしてから、マウスの右ボタンメニューの「送る」から「圧縮(zip 形式)フォルダー」を選択します。

クリックで拡大します。

ファスナーがついたフォルダができると圧縮作業は完了です。

ファイルのデータ量は圧縮前の4.47MBから3.58MBへと、約20%小さくなりました。

「あれ?意外と小さくなっていない」と思われたかもしれませんが、今回サンプルとして使ったファイルが既に圧縮されているJPEG形式の画像ファイルと、元々のデータ量がそれほど大きくないテキストファイルだったためです。ちょっとサンプルとしてはふさわしくなかったと後悔してますが、作り直すのも面倒なので勘弁してください。

それからフォルダ名が「D.zip」となっていますが、これは圧縮前のファイルにあった「D.txt」の名前が使われたためです。ファイルの選択の仕方によって他のファイル名が使われることもあります。フォルダ名を変えるには、フォルダを右クリックして「名前の変更」を選んでください。

フォルダ名を変えるには、フォルダを右クリックして「名前の変更」を選択

複数のファイルをフォルダごと圧縮する

今度はファイルを全部1つのフォルダーに入れた状態で圧縮してみましょう。

ファイルを全部「sample_folder」に入れた状態

 

フォルダごと圧縮するときは、2通りの方法が使えます。

1つは圧縮したいフォルダを右クリックして「送る」メニューから「圧縮(zip 形式)フォルダー」を選択する方法で、先ほどファイルを圧縮したときと同じ方法です。

もう1つは「共有」メニューから圧縮する場合です。これは見てもらったほうが早いので、動画を作りました。

 

 

上の動画では、デスクトップ上にある「sample_folder」というフォルダをクリックで選択し、「共有」メニューからZIPアイコンをクリックすると、同じデスクトップに「sample_folder.zip」という圧縮されたフォルダができています。

「共有」メニューから圧縮する方法は、圧縮したいフォルダが他のフォルダの中に入っている状態でなければなりません。デスクトップ上にあるフォルダを直接開いても「共有」メニューは利用できないので、ここではエクスプローラーからデスクトップの中にある「sample_folder」を選択しています。

フォルダ内にある特定のファイルだけを圧縮する

今度は「sample_folder」の中にある画像ファイルだけを圧縮してみましょう。これも見てもらったほうがわかりやすいので、下の動画をご覧ください。

 

やり方はフォルダごとの圧縮と同じです。圧縮したいファイルを選択した状態で「共有」メニューからZIPアイコンをクリックすれば同じフォルダの中に圧縮フォルダが作成されます。

圧縮フォルダの展開

圧縮のやり方を覚えたところで、次は展開の方法をやってみましょう。

といっても難しいことはなく、圧縮フォルダの右クリックメニューから「すべて展開」を選ぶだけです。

右クリックメニューから「すべて展開」を選ぶ

 

下の画面でフォルダをどこに展開するか指定できます。この場所で良ければ画面下の「展開」をクリックします。

 

展開すると圧縮する前の「sample_folder」が復元され、フォルダの中身が表示されます。

 

これで無事にフォルダの展開は終了しました。

しかし、よく見ると「sample_folder」の中に、さらに「sample_folder」が入っている状態になっています。これじゃあ、なんとなく気分悪いですね。

こういうときは先ほどの展開場所を指定する画面で元フォルダの名前を削除してやるとフォルダが入れ子状態にならずに済みます。

この場合はデスクトップ上に展開したいので、C:\Users\work\Desktop\になるよう、末尾のフォルダ名を削除しました。

「sample_folder」部分を削除してから「展開」する

 

もっと簡単な方法としては、圧縮フォルダをダブルクリックで開いて、中にあるフォルダをズルズルッとドラッグして展開する方法です。これも下の動画をご覧ください。

 

展開の方法としては、これが一番手っ取り早いので、私はいつもこの方法を使っています。

Macさんからの圧縮ファイルが文字化けしているときは?

Mac OSから送られてきた圧縮ファイルを展開すると、ファイルが文字化けしていることがあります。これはWindowsとMacとでは文字を表現する規格(文字コード)が違うためで、ファイル名に日本語が使われていると文字化けしてしまいます。

また、展開したフォルダの中に「.DS_Store」というファイルが入っていることもあります。これもはMacが使うフォルダの表示に関する設定ファイルで、Windowsには必要ありません。

本来は送り手であるMac側がWindowsで正しく展開できるように注意するべきですが、相手に送りなおせとは言えない場合もあります。そういう場合はフリーソフトを使って、さっさと正しく展開してしまいましょう。

圧縮・展開を行うアプリケーションソフトにはたくさんの種類がありますが、Macとのやり取りには Cube ICE というフリーソフトがおすすめです。代表的な圧縮形式に対応していて、なおかつ、Macから送られてきた圧縮ファイルを正しく展開することができます。


これで一通りファイルの圧縮と展開について見てきました。

今はインターネット回線が高速なので、昔ほど圧縮ファイルにする必要はないのかもしれませんが、ビジネスの場面ではある程度のファイルサイズだったり、複数のファイルを送るときは圧縮してから送らないとマナーに反したり、相手にITスキルが低いと思われてしまうこともあります。

今まで圧縮したことがないという方は、ぜひこの機会に圧縮と解凍をマスターしてください。