インテル スマート・レスポンス・テクノロジーとは?

近ごろ、パソコンのスペック欄に「インテル スマート・レスポンス・テクノロジー」とか、略して「ISRT」と書かれているものが増えています。直訳すると「キビキビ反応する技術」? どうやらパソコンの動きが速くなる仕組みのようですね。

ここでは「インテル スマート・レスポンス・テクノロジー」とは、なにか? なにがどうなってキビキビするのか?についてお話します。

スポンサーリンク

インテル スマート・レスポンス・テクノロジーは、お互いの欠点を補いあう、お似合いのカップル?

パソコンの外部記憶装置に使われているHDD(ハードディスクドライブ)は、容量あたりの単価が安いので、今では1TB(1000GB)~3TBもある大容量なHDDをもつパソコンも多くなりました。

ハードディスクの内部構造

HDDは回転するディスクの上を、ヘッドが移動しながらデータを読み書きします。昔のレコードプレイヤーのような構造ですね。

このようにHDDは機械的な動きでデータを読み書きするので、電気的に読み書きするCPU(プロセッサー)やメインメモリ(主記憶装置)に比べてスピードは低速です。

パソコンのシステムは各パーツが協調して働くので、CPUやメインメモリが速くなっても、HDDが遅いと全体の動作スピードは十分に上がりません。そのため近年では低速なHDDに代わって、フラッシュメモリを使用して高速に読み書きできる、SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)が普及し始めています。

SSDは大容量なメモリーカードのようなもの、と思えばいいでしょう。メモリーなので、HDDよりもはるかに高速な読み書きができます。またSSDは機械的に動作する部分がないので、衝撃に強い、消費電力が少ないというメリットもあります。

ただしSSDは容量あたりの単価がまだ高いので、安価で大容量なHDDに置き換わるまでにはいかないのが現状です。

前フリが長くなりました。ここからが本題です。

インテル スマート・レスポンス・テクノロジーとは、SSDをHDDのキャッシュとして利用することで、SSDの高速な読み書きとHDDの大容量という、両者のメリットを活かす技術のことです。

HDDとSSDのメリット・デメリット
HDD SSD
価格と容量 安くて大容量 高くて小容量
読み書き速度 遅い 速い

インテル スマート・レスポンス・テクノロジーは、HDDとSSDの両方を搭載する、ツインドライブ構成になります。ただしSSDはHDDのキャッシュ(一時的なデータの保存領域)として使用されます。

一度HDDから読み出されたデータは、同時にSSDにもコピーが置かれます。次回、また同じデータが必要なときはSSDにあるコピーを利用するので、低速なHDDにアクセスするより速く読み出すことができます。

インテル スマート・レスポンス・テクノロジーのしくみ

また、SSDにキャッシュされたデータは電源を切っても消えないので、次回パソコンを起動したときにキャッシュされているデータは、スピーディーに読み出すことができます。

ただし、SSDがキャッシュできるデータ量は最大64GBまで!これより大きな容量のSSDを搭載しても、64GBを超えた部分はデータの保存領域などに利用することとなります。

そのためインテル スマート・レスポンス・テクノロジーはユーザーの使い方を学習して、利用頻度の高いデータを優先してキャッシュするようにしています。また、OSの起動に関するデータは優先してキャッシュされるので、Windowsの起動も速くなります。

HDDへの書き込み方法によって異なるスピード

ここまではインテル スマート・レスポンス・テクノロジーがデータを読み出す場合について説明してきました。次は2とおりのデータの書き込み方法について説明します。

SSDのスピードを最大に活かせる「最速モード」

メインメモリが、SSDにだけデータを渡すのが「最速モード」です。

メインメモリにとっては、SSDにデータを渡して時点で書き込み処理が終了するので、もっとも高速な動作が得られる方法です。そのあとSSDからHDDに書き込まれて、書き込みは完了します。

ただし「最速モード」は、データがHDDに書き込まれる前にSSDにトラブルが発生すると、そのデータは失われる可能性があります。

信頼性重視の「拡張モード」

メインメモリからSSDとHDDの両方へデータを書き込むのが「拡張モード」です。

データをSSDにキャッシュすると同時にHDDへの書き込みも行うので、信頼性の高い方法です。ただし書き込みの遅いHDDにあわせるためにスピードは「最速モード」より落ちます。

最速モードと拡張モード

ISRT以外の、SSDとHDD搭載モデルも選択肢

インテル スマート・レスポンス・テクノロジーは低価格で大容量なHDDのメリットと、読み書きが速いSSDのメリット双方を両立する技術ですが、キャッシュされるデータは64GBまでという制限があります。また初めて利用するデータの読み出しスピードは、HDDの性能に左右されます。

インテル スマート・レスポンス・テクノロジーに対して、OSやアプリケーションをSSDにインストールし、データはHDDに保存する方法もあります。というより、これがふつうの方法ですね。

最近ではノートパソコンでもSSDとHDDのツインドライブを採用するモデルがありますので、より高速な動作スピードを求める方はSSDにシステムをインストールする方法のほうがいいと思います。

よりリーズナブルな価格でSSDの恩恵を利用したい方は、インテル スマート・レスポンス・テクノロジー搭載モデルがいいでしょう。

最後になりましたが、インテル スマート・レスポンス・テクノロジーを利用するためには、必要となる構成を満たす必要があります。自作PCの場合など、必要構成や設定方法については、インテルのWebサイトで確認してください。

インテルR スマート・レスポンス・テクノロジー ユーザーガイド

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク