パソコンが突然故障したり、誤って写真を削除したりすると、大切なデータを取り戻せないことがあります。Windows 11には「Windows バックアップ」という標準機能があり、特別なソフトを購入しなくても、文書や写真、各種設定を保存できます。
ただし、無料で使える容量には限りがあり、すべてを丸ごと保存できるわけではありません。この記事では、初心者でも迷わない設定手順と、外付けドライブを併用する方法を具体的に説明します。
Windows バックアップとは?
Windows バックアップは、パソコン内の大切なフォルダーやWindowsの設定を、インターネット上の保管場所であるOneDriveに保存する機能です。
たとえば、自宅に置いてあるアルバムと同じ写真を、離れた場所にある貸金庫にも保管しておくようなものです。パソコンが壊れても、同じMicrosoftアカウントで新しいパソコンにサインインすれば、保存したファイルや設定を戻しやすくなります。
Microsoftの公式案内によると、Windows バックアップでは次のような項目を保存できます。
デスクトップ、ドキュメント、画像、ビデオ、ミュージックの各フォルダー。
インストールしたアプリの情報。
Wi-Fiの情報やパスワード。
壁紙、配色、テーマなどの個人設定。
言語、辞書、アクセシビリティなどの設定。
詳しい対象項目は、Microsoftの「Windows バックアップでバックアップと復元を行う」でも確認できます。
Windows バックアップを設定する手順
1.Microsoftアカウントでサインインする
Windows バックアップを使うには、Microsoftアカウントが必要です。まず、スタートボタンをクリックし、「設定」→「アカウント」→「ユーザーの情報」の順に開きます。
画面にMicrosoftアカウントのメールアドレスが表示されていれば、そのまま進めます。「ローカルアカウント」と表示されている場合は、Microsoftアカウントでのサインインへ切り替える必要があります。
マイクロソフトアカウントを新規で取得するには?
※マイクロソフトアカウントをお持ちでない方は、Microsoftアカウントの作成から取得できます。

「メールアドレス」欄に作成したいメールアドレス(例えば hogehoge@outlook.com)を入力すると、@以下の部分を@outlook.jp @outlook.com @hotmail.comから選べます。
2.Windows バックアップを開く
スタートボタンをクリックし、検索欄に「バックアップ」と入力します。検索結果に表示された「Windows バックアップ」をクリックしてください。
別の開き方もあります。「設定」→「アカウント」→「Windows バックアップ」の順にクリックしても、バックアップの設定画面を表示できます。

3.保存したいフォルダーを選ぶ
Windows バックアップを開いたら、「フォルダー」をクリックして内容を表示します。デスクトップ、ドキュメント、画像、ビデオ、ミュージックなど、保存したいフォルダーのスイッチをオンにします。
ここで注意したいのは、各フォルダーに入っているデータ量です。写真や動画が大量にある場合、無料容量をすぐに使い切ることがあります。最初はドキュメントや、失うと困る写真が入ったフォルダーを優先するとよいでしょう。
4.設定を確認して「バックアップ」を押す
「設定」を開くと、アプリ、Wi-Fi、壁紙、言語などの項目を確認できます。必要な項目をオンにして、最後に「バックアップ」をクリックします。
処理が終わったら、各項目に「バックアップ済み」と表示されているか確認してください。ボタンを一度押しただけで安心せず、ときどき画面を開いて状態を確認することが大切です。
無料で保存できるのは5GBまで
Microsoftアカウントには、OneDriveなどで共有する5GBの無料クラウド容量があります。Microsoftの「Microsoftストレージのよくある質問」でも、無料利用者のクラウド容量は5GBと案内されています。
5GBは、WordやExcelの文書を中心に保存するならかなり使えます。しかし、スマートフォンで撮影した高画質写真や動画を保存すると、すぐに不足する可能性があります。
容量が足りないときの選択肢は、主に次の3つです。
不要なファイルをOneDriveから削除する。
保存するフォルダーを絞り込む。
Microsoft 365などを契約して容量を増やす。
ただし、料金をかけたくない場合は、無理に有料プランへ変更する必要はありません。写真や動画は外付けSSDや外付けHDDに保存し、重要な文書だけをOneDriveに置く方法もあります。
Windows バックアップだけでは十分ではない理由
Windows バックアップは便利ですが、パソコンの中身を完全に丸ごと複製する機能ではありません。「インストールしたアプリ」の情報が保存されても、すべてのアプリ本体や、そのアプリで作ったデータが必ず元どおりになるとは限りません。新しいパソコンでは、アプリの再インストールや再設定が必要になる場合があります。
また、OneDriveは複数の機器でファイルを同じ状態に保つ「同期」の性格も持っています。操作によっては、一方で削除したファイルの変更が別の機器にも反映されます。そのため、本当に失いたくないデータは、OneDriveだけに任せないほうが安全です。
おすすめは、保存場所を2つに分けることです。
OneDriveには、現在使用している重要な文書や写真を保存する。
外付けSSDやHDDには、写真、動画、過去の文書などを定期的にコピーする。
Windowsには、外付けドライブへ変更履歴を保存する「ファイル履歴」もあります。Microsoftの「ファイル履歴でバックアップと復元を行う」では、外付けドライブまたはネットワーク上の保存場所を利用する手順が案内されています。
外付けドライブへ手動でコピーする簡単な方法
複雑な設定を避けたい人は、まず手動コピーから始めても構いません。
1.外付けSSDまたはHDDをパソコンに接続します。
2.タスクバーにある黄色いフォルダーのアイコンをクリックします。
3.左側の「ドキュメント」や「ピクチャ」を開きます。
4.保存したいファイルやフォルダーを選び、右クリックして「コピー」を選びます。
5.左側の「PC」から外付けドライブを開き、何もない場所を右クリックして「貼り付け」を選びます。
コピー後は、外付けドライブ側のファイルを実際に開けるか確認してください。確認せずに元のファイルを消すのは危険です。
また、外付けドライブを常につないだままにすると、落雷、誤操作、ウイルス被害などの影響を同時に受ける可能性があります。バックアップが終わったら、画面右下のUSBアイコンから安全な取り外し操作を行い、パソコンから外して保管すると安心です。
月に1回はバックアップ状態を確認しよう
バックアップは、一度設定したら終わりではありません。保存容量がいっぱいになったり、Microsoftアカウントからサインアウトしたりすると、気づかないうちに止まることがあります。
月に1回程度、次の点を確認しましょう。
Windows バックアップに「バックアップ済み」と表示されているか。
OneDriveの空き容量が残っているか。
外付けドライブへ最近のファイルがコピーされているか。
保存した写真や文書を実際に開けるか。
パソコンの故障は、予告なく起こります。「そのうちやろう」と思っている間に故障すると、大切な写真や長年作った文書を失いかねません。まずは今日、Windows バックアップを開いて現在の状態を確認し、特に大切なデータだけでも二つの場所に保存しておきましょう。


