こっそり教えて!「4G」とか「LTE」ってなに?

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近ごろスマートフォンのCMで「4G」とか「LTE」という言葉をよく聞きますよね。
でも「4G」や「LTE」ってなんなのか、大雑把にでも答えられる人は意外と少ないんじゃないでしょうか?そこで今回は、

「4G」や「LTE」とは?
これだけわかれば「ほぼOK!」

という程度にザックリと説明します。

え!実はまだ「3.9G」? それってフライングゲットじゃ・・・

近ごろ、ケータイ会社がさかんにアピールしている「4G」ですが、「G」は「Generation」の略で、「第4世代」の通信技術、という意味になります。
じゃあ「1G」はいつだったのかというと、自動車電話や携帯電話が登場したころのアナログ方式による通信です。
「2G」でデジタル方式になるとメールなどのWebサービスが始まり、ケータイ電話はインターネット端末としての機能も持つようになりました。
「3G」では通信スピードが引き上げられましたが、ケータイユーザーの増加による電波の混雑や、スマートフォンやタブレットの普及による、より高速な通信のニーズなどが生まれました。
そこで登場したのが、「3G」と同じ周波数帯の電波が使えて、尚かつ高速なデータ通信が可能な「4G」と呼ばれる「LTE」です。
「LTE」とはLong Term Evolutionの略で、「3G」を長期的に進化させて「4G」へスムーズに移行するための”過渡的な通信サービス”です。
なので正確には「3.9G」ですが、多分に”商業的な理由“から、フライング的に「4G」と称することが認められています。
では、「LTE」は「3G」に対して、どれくらい速いのか?
NTTドコモを例に取ると、「3G」サービスの『FOMA』は下り(基地局→端末)の通信スピードが最大14Mbps、上り(端末→基地局)が最大5.7Mbpsです。対して「LTE」の『Xi』(クロッシィ)は、下り最大150Mbps、上り最大50Mbpsと、上下ともに10倍前後も速くなっています。
と書くと「すげー、はえー!」と思いますが、あくまで理論値なので、実際にこのスピードが出ることはありません。各社の「LTE」サービス提供エリアも大都市圏から始まり、地方都市、特に町村部はまだエリアに含まれていないのが現状です。また「LTE」は「3G」と互換性がないので「4G」対応機種も必要です。
それでも「LTE」はこれまでの「3G」より格段にスピードアップしていますし、各社のサービス提供エリアも急ピッチで拡大しています。
さらに、3.9Gではない「真の4G」である「LTE-Advanced 」では、下り1Gbps以上、上り500Mbps以上と、より高速にスピードアップされます。
韓国では「真の4G」サービスが既に始まっていますし、NTTドコモは「LTE-Advanced 」のサービス開始を、2015年から開始すると発表しています。
と言うと「じゃあ、まだLTEって意味ないじゃん!」と思われるかもしれませんが、「LTE-Advanced 」は「LTE」と互換性があるので、サービス提供エリア内のユーザーは、今から「4G」対応機種に変更しても損はしないでしょう。

FDDとTDD、LTEには2種類の方式がある

ここからは、ちょっと技術的な話になりますが、「LTE」には2種類の技術があります。
ひとつは「FDD」という方式で、日本を含めた先進国では、この「FDD」が主流となっています。
「FDD」は上りと下りの通信に、少し離れた周波数を使います。例えると、中央分離帯で区切られた道路のようなものです。
「FDD」方式を採用した「LTE」サービスには、NTTドコモ『Xi』(クロッシィ)、『SoftBank 4G LTE』、『au 4G LTE』、『EMOBILE LTE』があります。
もうひとつは「TDD」方式を採用した「TD-LTE」と呼ばれる方式です。
「TDD」方式は同じ周波数の電波を使い、上りと下りの時間を区切って通信します。これも例えると、1車線の道路を片側交互通行させるようなものです。
日本では『SoftBank 4G』や『EMOBILE 4G』が「TD-LTE」サービスです。またモバイルデータ通信の『WiMAX』も「TDD」方式のひとつですが、新しく提供された『WiMAX2+』からは「TD-LTE」互換となっています。

急速に伸びる「TD-LTE」の世界シェア

先ほど、日本を含む先進国では「FDD」方式の「LTE」が主流と書きましたが、今後は中国を始め、インド、オーストラリアなど、途上国を中心に「TD-LTE」の勢力が拡大しそうです。
中国では2013年9月末時点でケータイ人口が12億700万となりましたが、未だに「2G」ユーザーが70%ほどを占めています。ただし中国は国策として「TD-LTE」を推進しているので、今後は急速に「TD-LTE」の普及が進みそうです。
アップル社が中国向けの「TD-LTE」に対応した『iPhone 5s / 5c』を発売したのも、スマートフォンへの潜在的なニーズが大きい中国のマーケットを狙ったものと言われています。