CPUとは? これを知らなきゃPCもスマホも選べない!

 

パソコンやスマートフォンの仕様を見ると、必ず「CPU」とか「プロセッサー」という単語が出てきますね。「でもCPUやプロセッサーってなに?」そんな人のために今回は、

・CPU(プロセッサー)とは?
・CPUの性能を見極めるには、3つのポイントに注目!
・今どきのプロセッサーは、動画の表示と省エネ性能を重視

の3点についてお話します。これがわかれば、パソコンやスマホ選びに役立つこと間違いなしです!

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CPU(プロセッサー)とは?

CPU(Central Processing Unit)とプロセッサー(Processor)は、スペルを見比べるとわかるように、どちらもほとんど同じ意味です。

プロセッサーは「処理装置」という、少し広い意味を持つ単語で、CPUは「中央処理装置」という特定の回路を指します。

但しコンピューターの世界では、CPUもプロセッサーも同じ意味で使われることがほとんどです。「このパソコンのCPUは、インテル プロセッサーを搭載しています」という具合に、2つの用語をミックスして使うこともあります。

ではCPU(プロセッサーなど)が何をするものかというと、ユーザーの操作やプログラムから与えられた命令を計算して実行したり動作を制御するなど、クルマのエンジンのような働きをします。

プロセッサー(CPU)

CPUは左のイラストのような四角く薄い形のパーツで、裏側にたくさん生えている細いピンを基盤に差し込んで固定します。

この四角いパッケージの中に命令を処理・制御する回路があり、その性能がパソコンやスマートフォンの性能に大きく影響します。

CPUの性能を見極めるには、3つのポイントに注目!

では、実際にパソコンやスマートフォンを選ぶとき、どこを見ればCPUの性能がわかるか?それには以下の3つのポイントが目安になります。

今も昔も気になるのはCPUクロック

CPUの性能を測る最も代表的なポイントが「CPUクロック」です。

CPUクロックはプロセッサーの内部にある複数の回路の処理タイミングを合わせるために発生する周波数(振動数)のことです。音楽に例えると曲の速さを決めるテンポのようなもので、パソコン内部の各回路はCPUクロックにあわせることで調和のとれた動きができます。

90年代のコンピューターは500MHz(メガヘルツ=1秒間に100万回)とか900MHzというCPUクロックでしたが、2000年代になると1GHz(ギガヘルツ=1秒間に10億回=1000MHz)を超えるようになりました。現在のパソコン用CPUのクロックは低くて1GHz以上、高いと4GHzに達するものもあります。

また近年では「インテル ターボ ブースト テクノロジー」や「AMD ターボ コア テクノロジー」など、そのときの処理状況に応じてCPUクロックが一時的に上昇するプロセッサーが増えています。

CPUクロック数は高いほど高性能になりますが、そのぶん消費電力が増えるので、バッテリー時間を重視するノートパソコンやスマートフォンなどでは低めのCPUクロックに設定されることが多くなっています。

今どきのCPUはマルチコアで高性能化

CPUの性能を測る2つめのポイントが、コア(Core)です。

コアは「核」という意味のとおり、CPUが実際に演算処理を実行する回路部分です。コアが2つあるCPUはデュアルコア・プロセッサー、4つならクアッドコア・プロセッサーと言います。

コアを増やすと命令を分散して処理できるので、1つひとつのコアでCPUクロックを抑えても全体として高性能化できるのがメリットです。また画像や映像、音楽などの編集ソフトは分散処理に最適化されているものが多いので、デジカメ画像やビデオ編集などにはコア数が多いCPUのほうがスムーズな処理ができます。

同じタイプのCPUなら、キャッシュが多いほうが高性能

3つめのポイントはCPUキャッシュ(Cache)です。

キャッシュはCPUが自分のなかに持っているメモリで、CPUに近い順から1次キャッシュ(Level 1 Cache)、2次キャッシュ(Level 2 Cache)、3次キャッシュ(Level 3 Cache)と呼ばれ、容量も順次増えていきます。

CPUキャッシュが必要な理由は、メインメモリとのタイムラグを減少させるためです。

CPUはメインメモリとのあいだでデータをやり取りしますが、メインメモリのスピードはCPUよりも遅いので、どうしてもタイムラグが生じます。そこで一度メインメモリからもらったデータはCPUキャッシュに記録しておき、また同じデータが必要なときは直接CPUキャッシュから読み出すことで高速に処理することができます。

CPUの基本設計が同じならクロック数とキャッシュ容量が性能に差をつけます。

例えばインテルのデスクトップPC用プロセッサー「Celeron G1610」と「Pentium 2100T」は基本設計は同じ、CPUクロックも2.6GHzで同じです。しかしキャッシュ容量は「Celeron G1610」の2MBに対して「Pentium 2100T」が3MBと多く若干高性能となります。

逆に言うと下位グレードのCPUはキャッシュ容量を減らすことで性能を落としていると言えます。

これだけCPUの性能に大きな影響を与えるキャッシュ容量ですが、店頭のスペック表などでは表記されない場合が多いので、インターネットから詳細なスペックを見つける必要があります。

今どきのプロセッサーは、動画の表示と省エネ性能を重視

最後は少し近年のCPUの傾向についてお話します。

ひと昔前は新しいCPUが出るたびに、どれだけ処理性能が速くなったかに期待が集まりました。しかし現在のCPUは下位グレードでも十分な処理性能があるので、新しいCPUが出ても処理性能は劇的に変わらないことが多くなりました。むしろ、ここ数年のCPUが重視しているのは表示性能の向上と消費電力の削減です。

年々進化する内蔵タイプのGPU

パソコンやスマートフォンで画面に表示する機能全般を、グラフィックス機能とかGPU(Graphics Processing Unit)と言います。インターネットでも高画質な動画が見られる現在では、映像をスムーズに再生できる高い表示性能を持つことが高性能なCPUの新しい基準になっています。

GPUには独立したパーツとして搭載されるタイプと、CPUの内部に組み込まれているタイプがあります。

独立タイプにはNVIDIA社のGeForceシリーズやAMD社のRadeonシリーズなどが販売されています。独立タイプは内蔵タイプより表示性能が高いことが多いので、動きの速い3Dゲームをプレイしたり映像の制作や編集などに必要となります。

内蔵タイプのGPUも独立タイプほどではありませんが、ここ数年で急速に表示性能が向上しています。軽めの3Dゲームなら楽々プレイできるものもあり、今では低価格な独立タイプのGPUを凌ぐほどの表示性能になっています。これからも内蔵GPUの表示性能は、さらに高性能になっていくでしょう。

これからのCPUは、よりコンパクトでエコノミーに

現在のCPUが重視している2つめのポイントは消費電力の削減です。その手法として現在のCPUはプロセスルールの微細化が勧められています。

プロセスルールとはCPUの回路をどれくらいの大きさで作るかという設計思想です。回路を小さくするほど電流の量は少なくなるので消費電力を減らせます。消費電力が減ると発熱量も減るので冷却ファンを小さくしたり省略することができ、さらに消費電力を減らせます。

インテルは2年ごとにプロセスルールを微細化しており、2010年の「インテル Core プロセッサー」のプロセスルールは32nm(ナノメートル=10億分の1メートル)でしたが、2012年の「第3世代Coreプロセッサー」シリーズでは22nm、2014年には14nmにまで微細化された「第5世代Coreプロセッサー」シリーズへと続いています。

パソコンからモバイルへ。CPUメーカーは大きな転換期に

ここ数年でパソコンよりもスマートフォンユーザーのほうが多くなると、困ったのがインテルやAMDなどパソコン用のCPUを作ってきたメーカーです。

パソコンの世界では圧倒的なシェアを誇るインテルと、それを追うAMDという勢力図ですが、スマートフォンやタブレットPCの世界では様子が異なり、ARMアーキテクチャの独壇場となっています。

ARMはインテルやAMDのようにCPUの製造から販売まで行っているのではなく、CPUと関連技術の開発だけを行い、そのライセンスを販売しています。現在多くのスマートフォンやタブレットPCには、ARMの基本設計を元にしたCPUが搭載されています。

3分でわかる! ARM (アーム) アーキテクチャとは?
スマートフォンやタブレットPCの流行で、ARM アーキテクチャという言葉を目にする機会が多くなったと思いませんか?今回は「ARM アーキテクチャとは何か?」に加えて、「インテル vs ARM」の構図についてお話します。

ARMは元々いろいろな機械装置に組み込まれるコンパクトなプロセッサーを開発していたので、スマートフォンやタブレットPCのような小型で省電力が求められる製品にピッタリとマッチしたわけですね。

対してあまり大きさや消費電力に束縛されないパソコン用のCPUを作ってきたインテルやAMDは、スマートフォンやタブレットPCという大きな波にすっかり乗り遅れてしまいました。

最近のパソコン用CPUがコンパクト化&省エネ化を目指しているのは、その先にモバイル機器を含むIoTと呼ばれる「組み込み市場」への参入があります。

インテルはすでにコンパクトで省電力な「Atom プロセッサー」がスマートフォンやタブレットPCに搭載されていますし、AMDはARMアーキテクチャーを取り入れて顧客企業向けの専用プロセッサーを販売する新しいビジネススタイルを始めています。

これからのデジモノは「Googleグラス」のように、もっと小さなアイテムが登場してくるでしょう。拡大し続ける組み込み市場に適応するために、これからのCPUは、さらにコンパクト&省電力化が進んでいきそうです。